降り積もる集客

スケールかスモールか。
経営者はまずこれを決める。
そしてスモール・ビジネスに舵を切るなら、
やるべきことは集客と商品開発への投資である。

集客は手堅く。
商品開発は大胆に。
これが私からの提案だ。

商品開発に必要なのはターゲットの
絞り込みと、新たな価値の創造である。
ありきたりな商品では独自の
マーケットを生み出すことはできない。

ただしオリジナル商品には
必ず当たり外れがつきまとう。
3個商品を作って1個当たれば大成功。
それくらいの気持ちで、
大胆に商品開発することをお勧めする。

当たりが見えた商品を磨き続ければ、
スモールビジネスを支える柱になっていくだろう。
集客への投資はこれとは正反対である。
地道にコツコツと確実に成果が出る投資をするのだ。

スケール・ビジネスなら売れ筋を予測し、
そこに惜しみない広告・営業予算を投入するだろう。
今ある市場を力で奪い合うのがスケールの戦い方である。
しかしスモール・ビジネスでは勝つためのルールが違う。

資金力では大きな会社に勝てないし、
そもそも力わざでは集客が出来ない。
まだない価値でマーケットを創るということは、
まだいない顧客にアプローチをするということでもある。
それは広告という一過性の情報で掘り起こせるものではない。

新たな商品の価値、それがあることで
変わる未来をコツコツ配信する。
何度も、何度も、情報に触れているうちに、
だんだんその商品が欲しくなってくる。
それがスモールマーケットの掘り起こし方。
しかもターゲットはかなり限定される。

スモール・ビジネスのターゲットは1%以下。
しかし小さな会社が食べていくには十分だし、
それが参入障壁にもなる。
100人にひとりのターゲットだけが響く情報。
それをコツコツと配信し、
丁寧なコンテンツをウェブに埋め込んでいく。

この作業はとても繊細かつ重要だ。
ただ配信すればいいというものではない。
「なぜか心地いい」「すごく元気になる」「心から
納得できる」「とにかく楽しい」と心の琴線に
触れるものでなくては意味がない。

集客はココに投資するのが最も手堅い。
一過性の広告と違い、それは降り積もる雪のように
顧客を呼び続ける集客の柱となる。
しかも広告費がかからない。

すでに広告は見られなくなっているが、
この先その傾向はどんどん加速していくだろう。
広告を出すのではなく、
人が集まるコンテンツを丁寧に作り込む。
それがスモール・ビジネスの集客なのである。

 

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