第103回 万代のグランドデザイン「ローカルから世界」に込めた意義

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第103回 万代のグランドデザイン「ローカルから世界」に込めた意義

安田

ちょっと答えにくい質問かもしれませんが、倉橋さんが亡くなったあとの万代って、どうなっていてほしいですか? それこそ100年後とか。


倉橋

うーん、とりあえず世界展開はガンガンしていてほしいかな。万代が世界中の人に知ってもらっている。そんな未来だったら最高です。

安田

いいですね。「MANDAI」っていう言葉が英語圏でも通じてしまうくらいに浸透していたりして。


倉橋

ああ〜最高ですね(笑)。ウチは「ローカルから世界へ」をグランドデザインとして掲げていますから、そこがブレずに、しかも現実化していたら言うことないです。そしてそれは僕の代で完結している必要はないわけです。それこそ僕の死んだ後に連綿と続いていってくれることが理想というか。

安田

なるほどなぁ。そのあたりは倉橋さん一貫してますよね。…ちなみに、ちょっと意地悪な質問かもしれませんが、もしサウジアラビアの大富豪が、「ぜひうちの資金で万代を世界に広げたい」なんて言ってきたら、心動きます?


倉橋

それは心動きますね(笑)。自分がやるより、その人の方が大きく展開できるなら、任せるのもありかもしれません。

安田

はぁ〜、なるほど。「自分の代ではできなくても、誰かが実現してくれたら嬉しい」って、本当に志が大きいなと思います。なかなか本気でそう思える人はいない。


倉橋

そうですかね。そもそも僕は、自分に相応の資金力があったら東南アジアの農家の人たちにJAのような仕組みを提供したいと思ってるんです。5億人の農家のためのJA、それが僕の夢のひとつでして。

安田

それはすごい! JAって今でこそ批判もありますけど、そもそもはずっと農家を支えてきた存在なわけで。


倉橋

そうなんです。あれだけの仕組みを東南アジアで展開できたら、農業に革命が起きると思ってます。スポンサーが現れたら、即やりますよ。

安田

そんな未来も楽しみですね! 最近日本ではお米の問題が騒がれてますけど、東南アジアでは年に3回も収穫できる地域があるわけで、安く米を買いたい人はそこから買えばいい気もして。日本のブランド米は、高くても買いたい人に向けて売ればいいんじゃないかと。


倉橋

同感です。米が代表的ですが、日本人は何に関しても国産にこだわりすぎている気もします。もちろん丁寧なつくりで品質がいいのは間違いないわけですが、もう少し視野を広げてみてもいいのかなと。

安田

確かに確かに。別に全部自分たちで生産する必要はなくて、不得意な部分や足りない部分は海外に頼ったっていいと。でもそれって逆も同じですよね。海外から日本企業が頼られたって全然いいわけで。

倉橋

そうそう。万代もそんなふうになっていけたらいいなぁと思うんですよ。要は世界中で「役に立つ会社」って言われたい。そもそも僕は関西出身で、東北や北海道にゆかりはなかったけど、そこで役に立てたらと思ってやってきた。要はまず日本国内でそれを実践してきたわけです。

安田

ああ、そうか。そしてその規模がどんどん大きくなってきて、ついに世界へ飛び立とうとしていると。

倉橋

仰るとおりです。エンタメ事業ももちろん魅力はありますが、どちらかといえば、東南アジアで展開する「お困りごとの解決事業」が、これから自分が本当にやりたいことだと思っています。

安田

なるほど〜。万代の店舗が東南アジア中にできて、休日に家族で来て遊んでくれるのもいいけど、それ以上に、皆がもっと豊かに生活できるようになるお手伝いもしたいと。

倉橋

それができたら最高ですね。「世の中に必要な会社はたくさんあるけど、一番は万代だよね」なんて言われたら、すごく嬉しいです。

安田

なるほど。それがビジョンなんですね。倉橋さんの亡き後も、そこに向かっていけばいいと。

倉橋

ええ。だから最初にグランドデザインをしっかり描いて、その方向に向かって進んでほしい。「ローカルから世界へ」というのが、僕にとっての最終的なテーマです。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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