第132回 お正月を「日本一の祭り」に変える万代の魔法

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第132回 お正月を「日本一の祭り」に変える万代の魔法

安田

年末年始商戦について伺いたいんですが、「今回はついに100万人突破が見えてくるんじゃないか」という話もありましたが、蓋を開けてみていかがでしたか?


倉橋

おかげさまで、無事に100万人を突破して、全店舗で114万人のお客様にお越しいただきました。

安田

おお、やりましたね! 昨年が77万人ペースだったわけですから、そこからの上積みとしては驚異的な数字じゃないですか。


倉橋

そうですね。本当にたくさんのお客様に来ていただけました。会社としても勝負をかけて臨んだので、よい結果が出て本当に嬉しいです。

安田

以前から「年末年始は唯一、新たなお客様を獲得できる最大のチャンスだ」と仰っていましたもんね。リピーター中心のビジネスであっても、この時期だけは特別だと。


倉橋

そうなんです。僕らのお店は基本的にリピーターさんに支えられているんですが、どんなに愛されているお店でも、常連さんの2割は1年で必ず抜けてしまう。

安田

「常連でも2割は消える」というのは怖い数字ですが、真理ですよね。


倉橋

ええ、本当に。だからこそ、どこかで新規のお客様を獲得して補填しなきゃいけない。それができる一番のチャンスが年末年始なんです。

安田

なるほど。普段は来ない層が動くお正月に賭けると。ちなみに今回は、具体的にどのようなターゲット層を狙って仕掛けたんですか?


倉橋

今回は「3世代消費」をテーマにしました。おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、そして孫たち。6人くらいの大家族で来ても、全員が楽しめるようなコンテンツを徹底的に増やしたんです。

安田

それはいいですね。うちも6歳の息子がいるのでわかるんですが、孫と祖父母が一緒に遊べる場所って少ないんですよ。息子と自分だけじゃなくその上の世代も巻き込めるというのは、財布の紐という意味でも強そうです(笑)。具体的にはどういう仕掛けをしたんですか?


倉橋

例えば、おじいちゃんがクレーンゲームで孫にいいところを見せられるような設定にしたり、お子様セットに特別なプレゼントをつけたり。

安田

ははぁ、おじいちゃんの見せ場を作るわけですね(笑)。

倉橋

まさにそうです(笑)。1人や2人で来るより、5〜6人の家族みんなで来たほうが断然お得で楽しい、という要素をたくさん組み込みました。今のユーザーさんのご家族を連れてきてもらうことで、新しい顧客になっていただこうと。

安田

なるほど。「家族の団らん」の選択肢として、一番に選ばれる努力をしたわけですね。

倉橋

ええ。家族で出かける時の選択肢っていくつかあるじゃないですか。帰省された時とか、お正月のタイミングとか。とにかくその選択肢の一番になれるように企業努力をしました。

安田

最近は「働き方改革」で、スーパーでも三が日は休むお店が増えていますが、それについてはどう思われますか?

倉橋

あれは経営者としても、本音では断腸の思いだと思いますよ。休みたくて休んでいるわけではないでしょうから。

安田

そうなんですよね。もし近所のスーパーが開いていたら、常連客がそっちに流れて、そのまま戻ってこないリスクだってありますからね。

倉橋

ええ、本当に。実際私たちの店舗が賑わったのも、年末年始にお休みするお店が増えたことと無関係ではないと思います。店の開いていない元旦なんて特にたくさん来ていただきましたから。

安田

他が休めば休むほど、空いている万代さんに集まってくると。

倉橋

ええ。そしてさらに言えば、そういう時はサービスレベルを絶対に落とさないようものすごく気を遣っています。

安田

ああ、なるほど。その一度のチャンスを失うわけにはいきませんもんね。

倉橋

そのとおりです。商品ラインナップはもちろん、接客、店内のクリンリネスも含めて、万全の状態で迎えないとリピートにはつながりませんから。

安田

で拝見したんですが、新記録が出るかもしれないという状況に、スタッフの皆さんがむしろ盛り上がっているというのが凄いですよね。普通なら「元旦くらい休ませろ」となりそうなものですが。

倉橋

そこは入社時からずっと繰り返し伝えてますからね。この24日間は僕らにとっての甲子園であり、一年間の集大成を見せる晴れ舞台なんだと。ある意味「洗脳」に近いくらい(笑)。

安田

確かに、甲子園球児が「試合が元旦なら出ない」なんて言わないですもんね(笑)。

倉橋

そうそう(笑)。ありがたいことに、ほとんどのスタッフが出勤してくれます。

安田

それはやっぱり、1年で一番盛り上がるお祭りに自分も参加したいという思いなんでしょうね。

倉橋

そうだと思います。会社として全てを集中させて、たくさんのお客様をお迎えする。一番大きなお祭りみたいなものですから。その代わり、成人式が終わったらオフシーズンになるので、そこで有給を取ってゆっくり休んでもらいます。

安田

賢い休み方ですよね。旅行に行くにも空いているし料金も安い。私も旅行は完全にオフシーズン派なのでよくわかります。

倉橋

そうなんです。ただ、ご家族やお子さんがいると、学校があったりして負担をかけちゃう可能性もありますけどね。

安田

でも最近はオフシーズン狙いの人も増えていて、意外と普通の会社員家族みたいな方も見かけますからね。世の中の「休み重視」の風潮に合わせて、無理やり元旦を休みにするのではなく、働く時はお祭りのように働いて、その分ちゃんと手当も出す。その姿勢が一貫しているのが万代さんの強さなんでしょう。

倉橋

最近は従業員に寄り添うあまり、休みを増やすだけで解決しようとする傾向がありますが、僕はちゃんとお金で解決してほしいなと思うんです。目標を達成したら手当を出す。やっぱり「報酬」は働くモチベーションとして絶対的に強いですから。

安田

同感です。休みだけ多くても、お金がなければ遊べませんから。働く側にとっても、「お金か休みか」を選べる環境があるのが一番健全なのかもしれませんね。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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