第19回 人類は今後どう進化していくのか

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

第19回 人類は今後どう進化していくのか

安田
今回は、恐竜の話をしたいと思います。

鈴木
恐竜ですか?(笑)
安田
恐竜というか、45億年といわれている地球の歴史について。

鈴木
いいですね、面白そうです。
安田
恐竜は1億6000万年も地球上に存在していたそうですが、人類は誕生からまだ20万年。しかも文明が現れたのは4〜5000年前で、さらに言えば、日本で文字を使うようになったのは2000年ほど前からなんだそうです。

鈴木
地球の歴史を1日で例えると、人類が現れたのは最後の数秒のところだっていうのは有名な話ですよね。
安田
仰る通りです。で、私は何を言いたいかといいますと、1億6000万年も地球を支配していた恐竜は、靴下1つ作っていないじゃないか、と!

鈴木
あははは! 確かにそうだ(笑)
安田
20万年の歴史がある人類だって、まだ文明が出てこない2〜3000年前には電気もないし馬車に乗って移動していたわけですよ? そこからたった2000年で原子力発電を操り、宇宙に行くことまでできるようになっている。

鈴木
確かにそう考えると、凄まじい進化のスピードですね。
安田
そうなんですよ。そもそも人間は哺乳類の中で一番アタマが良いと言われていますが、チンパンジーやゴリラ、オランウータンといった類人猿も、人間の次にアタマが良いとされていますよね。でも彼らパンツすら履いていないじゃないですか。

鈴木
確かに、人間と差がありすぎますね。
安田
ええ。だから、もう少し人間に近い生物がいてもいいように思うんですよ。人間と類人猿の中間くらいの賢さをもつ生物が。

鈴木
なるほど。「進化の途中経過」の生物がいてもいいはずなのに、類人猿から人間になるまでがあまりにも飛躍しすぎている。そういうわけですか。
安田
仰る通りです。なぜ人間だけがここまで急激に進化できたんですかね。

鈴木
そうだなあ……。そもそも人間以外の生物は、「生きるために、生きる」というか。要は、自分の生命が安全であれば、他に大した欲も出てこない。だから進化する必要性も感じないんじゃないでしょうか。
安田
確かに動物は、旅行をしたりオシャレしたりしませんしね(笑)。でもどうして人間だけに「欲」が芽生えたのでしょうか。やっぱりリンゴを食べたからですか?

鈴木
アダムとイブですか。まあ確かに聖書の中でも、リンゴを食べる前は裸のままでも平気だったと書かれていますし。そうするとやはりリンゴを食べたことで欲が芽生えたのかも(笑)。
安田
そう言えば、地球上の四大文明って、ほぼ同時期に出てきたそうなんですよね。キリスト教やイスラム教なども一気に世界中で広まりましたし。それってやっぱり、突然人類が「目覚めた」ことの証になりませんかね?

鈴木
ああ、なんとなくわかります。地球外生命体がやってきたのでは、という考え方も、それに近いですよね。まあ、そう考えるほうが夢が膨らみます(笑)。
安田
いや、私は結構本気ですよ。というかそう考えなければ説明がつかないというか。ちなみに鈴木さんは進化論って信じていますか?

鈴木
うーん、信じていたつもりですが、人間と類人猿の中間がいないという安田さんのお話を聞いて、疑いの目を向けざるを得ないかもしれないです(笑)。
安田
笑。実際に、信心深い海外の方なんかは進化論を否定しているそうですよ。人間は神が作ったのだから猿が人間になるわけなんてないじゃないか、と。

鈴木
ああ、なるほど。
安田
でも一方で科学的思考のある人なんかは、当たり前に、猿が人間になったと信じ込んでいる。でもその、いわゆる「常識」のようなものも、私には不思議なんです。

鈴木
まあ「進化論」で考えるほうが、理屈的には納得しやすいですけどね。
安田
でもたとえば恐竜は1億6000万年も存在していたんだから、その間にアタマの良い恐竜が出てくる可能性もあるはずですよね。それなのに、実際にはそんな恐竜はいないじゃないですか。

鈴木
確かに。ということは、やはり人類だけは、その歴史の中で何かが突然「パッと変わった」のかも。広い宇宙の中に、地球のような高度な文明をもった惑星がある可能性は否定できないですものね。
安田
そうなんですよ。SF映画のような話も、全否定はできないわけです。ところで鈴木さんは、これからの人間はどう変わっていくと予想しますか?

鈴木
どうだろうなあ。もうちょっとカタチが変わってくるんじゃないですかね。さらに賢くなって脳が大きくなることで、頭が大きくなるとか?
安田
なるほど。反対に、今の時代でも既に外部記憶装置はあるわけじゃないですか。スマホとかPCとか。だからむしろどんどんアタマが悪くなっていくと主張する人もいるんですよね。

鈴木
う〜ん、でもたとえば将棋の藤井聡太さんは、AIを相手に将棋を指していたからか、既にAIが思いつかないような手まで思いつけるようになったらしいですよ。
安田
ああ、聞いたことがあります。AIに勝てるなんて、私たちとは脳の使い方が違うのかもしれないですね。そうやってまた人間は「進化」し続けていく。人類は2〜3000年後、いったいどうなっているんでしょうかねえ。

鈴木
もしかしたら男とか女とかそういう区別もなくなっているかもしれないですよ。
安田
確かに今、男女が「中性化」してきていますし、あり得るかもしれませんね! ぜひタイムマシーンで見に行ってみたいです(笑)。

 


対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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