第133回 東南アジアで描く「家族の笑顔」の未来図

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第133回 東南アジアで描く「家族の笑顔」の未来図

安田

2026年の万代さんのビジョンについて伺いたいんですが、福岡の新店舗も絶好調だそうですね。


倉橋

そうなんです。11月末にオープンしたばかりなんですが、オープン3日間で2万5000人のお客様にご来店いただきました。

安田

すごい数ですね! 他の商業施設からも「うちにも入ってくれ」というラブコールが殺到しているんじゃないですか?


倉橋

ありがたいことに問い合わせは非常に増えましたね。やっぱり商業施設というのは、お客様の数が増えればそれだけ施設の価値、いわゆる地価が上がりますから。

安田

施設側も喜びますよね。


倉橋

ええ。施設側もそこはシビアに見ているので、相性はとてもいいと感じています。

安田

ところで、去年の同時期と比べると、店舗数はどれくらい増えたんでしょうか? 勢いを見ているとすごく増えているような印象もあるんですが。


倉橋

いえ、同時期で比べると、増えたのは兵庫の1店舗だけですね。では「広島が飛ばされた!」なんて嘆いている方もいらっしゃいましたけど(笑)。

安田

広島の方には申し訳ないですが、ご縁とタイミングですよね(笑)。万代さんのビジネスモデルを見ていて思うのが、ドン・キホーテの「進化版」みたいなイメージな気がして。ドンキが「買い物」をエンタメ化したものだとしたら、万代さんはさらに「遊び」に特化している。


倉橋

確かに方向性は似ていると思います。ドンキさんも最近はスーパーマーケットの会社を買収して、来店頻度を「週1回」から「毎日」に変えようとしていますよね。

安田

いわゆるデイリー化ですね。


倉橋

そうですそうです。僕らもこのタイミングで食品や日用雑貨を取り込むことで、「毎日行ける遊べるスーパー」を目指しているんです。

安田

「遊べるスーパー」って、ありそうでなかった業態ですよね。

倉橋

そうですね。デイリーで来ていただける遊べるスポットというのは、まだ世の中にはありませんから。

安田

ラウンドワンだと完全に「遊び」に特化していて、ショッピングという感じではないですしね。日常の買い物の延長線上に、家族で楽しめるエンタメがあるというのは強い。

倉橋

そうなんです。特に地方都市においては、そういう場所がまだない。だからこそ、都心ではなく地方で、圧倒的なシェアを取りに行けると考えています。

安田

そうなると、次は日本全国の空白地帯を埋めていきたいところですが、倉橋さんの視線はすでに海外を向いているんですよね。九州の次は、間を埋めるのではなく、さらに先の東南アジアだと。

倉橋

そうですね。実は福岡への出店は、海外進出のための「練習」という意味合いも強かったんです。僕からしたら、福岡は外国でビジネスをやるくらいの距離感があったので。心理的にも本州から離れた場所でビジネスを成立させる経験が必要でした。福岡でとてもいい経験ができたので、次は秋口くらいに東南アジアへ出たいと考えています。

安田

なるほど。福岡は海外への布石だったんですね。でも普通は、日本国内をある程度制覇してから海外へ、というのがセオリーじゃないですか。そこを飛ばして行くという判断には、どんな意図があるんでしょう?

倉橋

日本のトレンドと世界のトレンドって、必ずしもリンクしないじゃないですか。「ここまで店舗が増えたら海外へ行こう」なんてやっている間に、向こうの市場はまた動いてしまう。

安田

確かに、時期を待っているうちにガラッと状況が変わってしまいそうです。

倉橋

そうなんですよ。年末年始の結果を見ても、今の万代の営業力があれば、海外でも成功するという確信があるんです。だから今こそトライする時じゃないかなと。

安田

日本は少子化で子どもが減ってますけど、東南アジアは子どもも多いし、経済成長でこれから消費が伸びるフェーズですからね。「家族で遊ぶ場所」へのニーズは、日本以上に熱いものがありそうです。

倉橋

ニーズは完全に一致すると思います。現地に行って感じるのは、みんな車を手に入れて本当に嬉しそうなんですよ。車内をアクセサリーで飾ったりして。あれは車が単なる移動手段から、家族の「娯楽」に変わった証拠なんです。かつての日本がそうだったように。

安田

懐かしいですね。日本でも昔は、車を買ったら芳香剤を置いたり、土足厳禁にしたりして楽しんでいましたもんね。ドライブに行くこと自体がイベントだった。

倉橋

そうそう。車社会になると、ドライブ自体が家族の娯楽になって、その行き先としてのアミューズメントが必要になるんです。これが鉄板のセオリーです。東南アジアでその波が来ている今、少しでも早く展開したいという気持ちですね。

安田

なるほどなぁ。モータリゼーションとファミリーエンタメはセットで伸びると。そのタイミングを逃さないためには、悠長に日本で陣取り合戦をしている場合じゃない、ということですね。

倉橋

その通りです。向こうの成長スピードは待ってくれませんからね。まずは日本を制覇してから、なんて順番を守っていたら、完全に乗り遅れてしまいます。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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