“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第137回 テクノロジーでは代替できない「五感の価値」

そうですよね。でも一方で、テクノロジーの発達によって家にいながら観光地の臨場感を味わえたりもするわけじゃないですか。人間が実際に行って見るよりも遥かにすごい映像が見れたりして、移動する必要もなくなってくるような気もするんです。

そう思います。今後、言葉の障壁は同時通訳技術などでほとんどなくなっていくでしょうし。自分が話している言葉が相手の言語で聞こえるようになれば、海外に行くハードルはさらに下がって、五感で感じる本物の体験を求めて移動する人はますます増えると思います。

仕事に関してはどうでしょう。今アメリカの経営者はクリエイティブな仕事をさせるためにオフィスに出社させようとしていますが、働く人は出社拒否が多いそうです。私もほぼ100%家で仕事をしていますが、今後の働き方はどう変わると見ていますか?

仕事においてリモートワークはある程度定着すると思います。でも人間は合理的なことだけで生きているわけではないんですよね。例えばうちの奥さんも、家の方が絶対に環境がいいはずなのに、あえて人がたくさんいるカフェに行って勉強したりするんです。

そうなんですよ。時間と費用をかけて「五感で感じる」というのは、考えようによっては一番無駄なことかもしれません。テレビや映像で見る方が非常に効率的ですから。でもその無駄な体験こそが、人間にしかできない価値あるものだと思うんです。

割合の問題だと思うんです。旅行なら時間とお金をかけて1回の経験ですが、家にいれば同じ時間で100カ国を映像で体験できる。そうなると、動かない時間の方が増えていく気がするんですが、倉橋さんはどう思いますか?

う〜ん、僕はそれでも動く時間は増えていくんじゃないかと思いますね。遠距離を移動するコストがずいぶんと下がっているのを最近すごく感じますし、やはりリアルな体験への欲求は映像では満たしきれない部分がありますから。

なるほどなぁ。万代さんもオンラインのクレーンゲームをやっていますが、やっぱりリアルの店舗の方が盛り上がるし楽しいと仰ってましたよね。オンラインのマーケットの方が大きくなるということは考えにくいでしょうか?

そうですね。オンラインは景品をゲットしているところを誰も見てくれていないじゃないですか。あの瞬間はやっぱり人に見てほしいものだと思うんですよ(笑)。魚が釣れたら必ず写真に撮ってSNSにアップするのと同じような心理ですね。

なるほど。「獲ったぞ!」というのを誰かに認めてもらいたいわけですね(笑)。倉橋さんの仰るように動く人が増えるとなると、今後は国籍は日本だけど半分は海外にいるような人が増えたり、入れ替わり立ち替わりの世界になっていくんでしょうか。

そうですね。家でリモートでしか仕事の選択肢がないという人も出てくるでしょうし。そういう人でもプライベートでは外に出たいかもしれないし、それすら出たくない人もいるかもしれない。結局は自分次第、その人の特性次第ですね。

私も家からほとんど出ないですし、外に出ないとできない仕事はもうほとんどやっていませんからね。自分の部屋が大好きで何時間でもいられるんですよ(笑)。でもたまに外に出てリアルで人に会うと、やっぱりいいもんだなとは思いますけどね。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















