第82回 万代が「休まない」のは誰のため?

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第82回 万代が「休まない」のは誰のため?

安田

前回の対談では年末商戦についてお話伺いました。その中でもチラッと出ましたが、世の中的には年末年始のような長期連休にお店を閉めるケースが増えてきているじゃないですか。でも万代さんは年末年始フル稼働なわけですよね。


倉橋

そうですね。我々のような業態にとって、年末年始は一年で最大のビジネスチャンスですから。

安田

それはもちろん理解できるんですが、今どき「年末年始は稼ぎ時だから社員も休みなしで働いてね」なんて言うと、みんな辞めちゃわないんですか(笑)。


倉橋

ウチの場合は入社時点からそれを説明してますから、むしろ「12月に入ると自然と気持ちが引き締まる」って感じなんじゃないかなぁ。前回お伝えしたように、年末商戦はある種のお祭りでもあるので、そこまでネガティブにとらえている社員は多くないと思います。

安田

なるほどなぁ。じゃあ今後ますます「会社も店もちゃんと休みましょう」みたいな風潮が強くなっても、年末年始は変わらずOPENするわけですね。


倉橋

まぁ、僕がどうしたいかというよりは、「お客様が買いたい時に買える」という環境を作っておきたいんですよ。「お客様を一番に考える」というのが僕の基本スタンスなので。

安田

なるほど。まさに「顧客第一主義」というわけですね。確かに世の中がお休みの時=皆が買い物に出る時ですもんね。ウキウキしてお店に行ったのに閉まってたら、やっぱりガックリ来ちゃいますもん。


倉橋

まさに仰るとおりで、楽しみにしているお客様をガッカリさせたくないんです。そういう意味で、万代ではできる限り「店の都合」で休むことをしない。結果、365日営業という形になりまして。

安田

ははぁ、年中無休なんですね。つまり「いつ開けるか、いつ閉めるか」じゃなく、「いつ来ても開いていますよ」ってことだ。


倉橋

そういうことです。もしどうしても人手が足りなければ、僕が現場に立ってでも開けてもらいます。実際、起業したての頃は、2年ほど毎日現場に出てましたからね。

安田

ははぁ、すごい徹底ぶりですね。そういえば私の家の近所にも、いつ行っても開いているパン屋さんがあるんです。つまり世の中がお休みでも開けているわけですけど、スタッフのみなさんは全然嫌そうじゃない。むしろいつも楽しそうに働いていて。


倉橋

結局、会社と社員さんのスタンスがマッチしているかどうか、なんでしょうね。別にすべての人が土日祝休みを求めているわけじゃない。むしろ無理やり休みを多くしたことで日々の業務が大変になり、結果離職率が上がってしまうみたいなケースも聞きます。

安田

確かに仰るとおりですよね。そういった中で万代さんは「顧客第一主義」を掲げ、そこに共感した社員さんが集まっている。だから皆が前向きに生き生き働けているんだと。


倉橋

そうだと思います。でもそれはあくまで万代のポリシーであって、世の中の全部の会社が真似する必要もない。他はどうあれウチは365日営業。クリスマスからお正月にかけて「どこか開いてるお店はないかな」って探してるお客さんに、「どうぞ万代へ!」とお伝えしたいんです。

安田

ふ〜む、なるほどなぁ。でも一方で、例えばディズニーランドのように「料金設定で混雑を分散させる」という発想もあるじゃないですか。混雑する土日よりも平日を安くするとか。

倉橋

今のところそういうのは考えていませんね。というのも、お客さんがいっぺんに大勢来てくれた方が盛り上がって楽しいじゃないですか(笑)。僕らとしても、お客様自身も、きっとにぎわってた方がワクワクすると思うので。

安田

なるほど(笑)。つまり「お祭り好き」「にぎやかな場が好き」という方は、万代の社員さんに向いているのかもしれませんね! 興味のある方はぜひ連絡してみてください!

 

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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