読むPodcast大久保圭太のマネトレシリーズ。今回は第54回『質問1:顧問税理士と大久保先生の言ってることに差がありすぎるゆえの悩み、質問2:手元流動性は1.5ヶ月の確保が安全?』(番組音声配信ページへ)をお届けします。質問者の日頃お世話になっている税理士さんが「先代から付き合いのある顧問税理士さん」ということで、話は事業承継の方向に。
こんにちは。円道カズキです。大久保圭太の財務アタマを鍛えるラジオ~マネトレ~。大久保先生、本日もよろしくお願いいたします。
あれね。
いや、大久保先生がね、収録前に予行で録る音よりも、本番収録では声を張るっていうね。
大久保先生、実はやる気あるんだよね。
うるさい!(笑)。そりゃ、聴いてくれてるのに「やる気ない」って言ったら失礼ですけど。
そうですね。
やりますよ。やる気しかないです。
やる気しかない大久保先生、今日はボケないですけども早速いきたいと思っております。
もう質問おじさんか。質問したくてしようがないのか。
そりゃそうですよ。質問しないと全然進まないですからね。
いいじゃん、年末だし。ん?年末じゃねえのか。
たぶん年末ぐらいじゃないかなと思いながら。今回も前回同様、マネトレセミナーに代わるだろう全Colorz Boot Camp 1day Seminarに来た質問がまだいい質問が残ってますので、せっかくなんでね、ぜひ一刀両断バシバシと・・・
(※注)配信日は2017年12月22日でした
だからなんでそんなプレッシャーかけんの?
回答をいただきたいなと思っておりますので、早速いきたいと思います。第1問です。
その「第1問」ってやめろよ。バシバシやれっつって「第1問」って言われると超身構える!クイズ番組の早押しするぐらいのさ。ちょっとやりにくいんだけど。緩い番組だからね。
意外と勝負好きだったり戦うの好きだからね。
負けたくないの。
さあ、いきます。
先日、御社主催のセミナーに参加させていただきました。大久保先生の話と今までの顧問税理士さんとでは話している内容にずいぶん差があり、正直どちらが正しいかわからなくなりました。顧問税理士は20年来の付き合いで、先代から信頼している方です。ただ、自分は拡大していきたいと思っていて、借り入れや財務戦略も考えたいと思っています。
とのことです。
うんうん、20年もやってんだね。
チッチッチッチッチッチッ・・・
うるせえなあ(笑)。20年やってていい会社ならいいんじゃないの?
たしかにそうですよね。でも、あれですかね、「拡大していきたいと思ってます」っていうことは、今は出来てないんですかね。
「拡大したい」ってその顧問税理士に伝えてるのかな?とりあえず言えばいいのにね。借り入れとか財務戦略を聞けばいいんじゃない?そしたらどういう答えが。だから、先代と相談してるあれが違うかもしれないもんね。先代は大きくせずに強い会社を息子に残したいって思ってるかもしれない。株がどうかわかんないけど、拡大せずに、早めに継ごうみたいなことを思ってるかもしれないし。「拡大したい」の真逆ケースで一番多いのが、社長が役員給与をいっぱい取るなり、保険で個人移転をするなりして、社長個人のお金を貯めましょうと。で、会社がつらくなったら、そのお金を会社に入れられるようにしましょう、っていうのが1つ。
社長のほうで資産形成をしておく?
そう。で、もうちょっと気の利いた感じだと「会社の財布と、家族の財布と、それ以外に事業用に出せる財布を用意しておきましょう」みたいなアドバイスは、割と僕らよりも年上の税理士さんにはあったよね。
傾向としてそういうアドバイスが多かったんですね。
うん。それはべつに間違えてるとは思わない。「小さくて強い会社をつくろう」とか、もしくは時代が高度経済成長じゃないけど安定的に景気がよかったとか、そういうすごい異変が起こらなかった時代にはそれもあると思う。やっぱり、今はまず、そもそも拡大じゃなくても、財務戦略上キャッシュを持たなきゃいけないって思う理由の1つは、やっぱ何が起きるかわかんないっていうことだと思うんだよ。まあ、わかる人もいるんだろうけど、わかんないよね。だって、いきなりみずほ銀行2万人切られると思わなかったもんね。
そうですね。
強烈な速度だなと思って。だって、ロボットがさ・・・
ロボット!?
ロボットっていうか、画面上の会計ソフトの操作を人がしてるかと思ったら、ロボットがやってるってのを見た。
ロボティック・プロセス・オートメーション的なやつですか?
イラッとしないでください。
RPAね。
知ってるし(笑)
知ってるよ!いやあ、すごいよね、会計事務所なくなるよね、みたいなさ。ビットコインどうなんのかとかさ、お金のあり方ってすごい変わっていく中で、「会社を守るためにやっぱキャッシュしなきゃいけないよね」っていうのが僕らColorzの考えてることなんで、合わない人もいるかもしれない。今回質問された方の税理士さんも間違えてるわけじゃない。その方がちゃんとした財務戦略やってたからなのか、お父さんが優秀なのかは知らないけど、とにかく20年はもってるわけだから。ただ、今の年齢や、たとえば株の承継がどうなってるかとか、その辺で検証する必要はあるよね。そういえばこの間、長野の滅多に行かない所でね。
失礼ですから(笑)
遠いんです。3時間以上かけて長野へ行ったんだけど。
講師として行かれたんですか?
そうそう。で、そこで個別面談で決算書見てさ。何代目とか、100年企業みたいなのが多くて。そんな派手な経営はしてないけどちゃんと続いてる企業さんたち。ただ、事業承継対策が全然できてないの。株が散らかってたりとかが結構あった。「税理士さんって何してんですか?」みたいな話にすごいなってさ。「毎月の打ち合わせ何してんですか?」って聞いたら「売上がこうで」みたいな。見たらわかるでしょ?って話じゃん。
まあ、まあ、そうですね。
ねえ。
過去の話としては。
そう。売上なんて見たらわかるし、今freee(フリー)とか見ればリアルタイムでわかるわけだよね。100年企業で一番やんなきゃいけないのは事業承継でしょ。株どうやって継いでいくかとか、お父さんから借入金がいっぱいあるみたいなとか、何千万あるとか、給料落として返済して、それ贈与で子どもに渡すとかさ、そういうの言ってくれないの?みたいの言ったら「いや、ないっすね」みたいな。「何してんの?」って言ったら「いや、売上を・・・」とかって。言うそれ?って言って。もう顧問税理士不要時代じゃねえかと思って。
すごい時代つくりましたね。
いや、だってさ、この話聞かれたの。美容院からね。1店舗か2店舗のとこ。「もう税理士いらないじゃないの?」っつって、「freee入れて勝手にやればいいじゃん」っつって。「でも何か質問があったらどうすんですか?」って聞かれたから「ググれよ」って言ったよね。「何の質問があんの?」って言ったら「経費になるかならないかとか」って。「まとめて決算のときに聞けば?」って。税理士にやってもらえば?年に1回。で、月次の顧問料なくせばいいじゃん。
すごい自分の首絞めるようなことをおっしゃってますが。
全然絞めてないよ。
本当ですか?
うん。だって、いいんだよ、ロボットがやるんだからさ。
言い切りました。
いやいや、いい感じですよ。
ないでしょ?
今日は一刀両断で熱くいきましょう。
いや、考えてほしいよね、たとえば1億円未満の八百屋さんで税務相談ある?「脱税したいです」とかじゃない?わかんないけど。「お金抜いたらどうでしょう?」みたいなさ。そんなんだと思うんだけど。だから質問はないんですよ。何の話だっけ?
いやいや、今回答になってますよ。借り入れや財務戦略。
ああ、そうそう、結局先代がいるなら事業承継するんだろうから、そこに関して顧問税理士から的確なアドバイスがあったのか、事実株が移ってるのか、移る計画があるのか、それはもしかしたら何代目さんかは知らないけど、その息子へやってるのかとか、そういう戦略をちゃんとやってる人だったら、税理士税金おじさん(注1)としては、ある意味信頼してもいいとは思う。一番税金かからない方法をちゃんとお伝えするとか、時間をかけてやらなきゃいけないことを放置してたっていう結果に万一なってしまうとね、もうね・・・。後継者不在、隠れ倒産2万9,000件のね・・・熱くなってきたな。
※注1「税金おじさん」/大久保先生いわく、税理士は会計と税金と勉強しかしていないため「税務おじさん」であるとのこと。
そんなあるんですか?
隠れ倒産2万9,000件?
そう。後継者不在で清算しちゃうから。それ、税理士ずっといたからね。税理士いたのにアドバイスしないで「なんか大変だよね」ってずっと言ってて、茶飲んで「売上がどう」とか言ってて、で、「後継者いないよね。俺もいないんだよ」って。そういうクソジジイどもがやったからいけない。
ギリギリ、もうこれ以上はだめです。
じゃあ、この20年来の付き合っている税理士の方が、承継とかも含めて、「売上どう?」とかいうこと意外にもちゃんとアドバイスをされているような方なのであれば、この方自身が「拡大したい」ということを方向として示したときに、何て答えるかは期待できるわけですよね。
いや、わかんない。
~次回へ続く~
大久保 圭太氏のご紹介
Colorz Consulting株式会社代表取締役。Colorz国際税理士法人代表社員。税理士。
早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング株式会社(現みらいコンサルティング株式会社)に入社。中堅中小企業から上場企業まで幅広い企業に対する財務アドバイザリー業務・企業再生業務・M&A業務に従事。企業再生案件において、過去節税のために生命保険に加入した経営者が、業績悪化ともに借入等が返済できなくなり、保険金欲しさに自殺するのを間近にみて、自分の無力さに悩む。税理士の適切でないアドバイスにより会社の財務が毀損し、苦しんでいる経営者が多数いる現実を変えるには、税理士業界の意識を変える必要があることを痛感。2011年に独立し税理士法人ACS(現Colorz国際税理士法人)・株式会社ACS(現Colorz Consulting株式会社)を立ち上げ、成長企業に対する財務コンサルティングを中心に、累計1000社以上の財務戦略を立案している。
本記事構成の元番組である大久保 圭太の「財務アタマを鍛えるラジオ~マネトレ~」は随時配信中。