二つの社会と存在力

私たちは、二つの社会で生きている。
3次元社会とインターネット社会だ。
現実社会とは3次元社会のことであり、
ネット社会はあくまでもバーチャル社会である。
そのように感じている人は、まだまだ多い。
だが、それは大きな勘違いである。

確かに3次元社会での私たちには肉体があり、
手で触れることも、美味しいものを食べることも、可能だ。
だがネット社会においては、それが出来ない。
だからネットは現実ではない、と勘違いしてしまう。
ネットでの配信を積極的にやらない経営者などは、
正にこの典型である。
だがそれは、恐ろしいほどの機会損失なのである。

なぜなら、ネット社会と3次元社会は、
どちらも現実社会であるからだ。
ネット社会で起こったことは、
見事なまでに3次元社会に反映される。
考えてみれば当たり前の話である。
なぜならネット社会に所属しているのは、
紛れもなく本物の人間なのだから。

リアルな社会では、私たちは評価を大事にする。
たとえば肩書きは、評価を得る為のひとつの手段である。
大企業に所属している、部長職に就いている、
有名な大学の教授である。
その肩書きによって、私たちはひとつの信用を得ている。
だが信用をつくるのは、肩書きだけではない。

特に身近な人間関係においては、
肩書きよりも人間性の方が重要視される。
あの人は、正直だ。絶対に裏切らない。
仕事で手抜きをしない。対応に表裏がない。
関わりの中から生まれた信用は、
肩書きなどよりも遥かに強力だ。

社会で成功を修めるには、
信用を勝ち取ることが何よりも重要なのである。
それは、ネット社会においても、全く同じ。
ネット社会では肉体を持たないので、
人間性よりも肩書きが大事だと思っている人もいる。
だがそれは大きな間違いである。
肉体がない分、余計にその人の人間性が明らかになるのだ。

ネット社会における人間性。
それは、発信した情報によってつくられる。
私は何者なのか。どんな事が出来るのか。
どういう性格なのか。信用に値するのか。
ネット社会での繋がりや、ネット社会での信用は、
3次元社会と直結している。
しかも、3次元社会とは比較にならない量の繋がりが、
そこにはある。
その影響は計り知れない。

ネットで自分を発信しないこと。
それは、ネット社会での繋がりと信用を、失うことを意味する。
匿名で情報発信をしても、リアルな私との繋がり、
リアルな私の信用には結びつかない。
3次元社会では、自分をさらけ出せる人が信用される。
ネット社会においては、その傾向がより強くなる。
なぜなら多くの人が、
まだそこでは自分をさらけ出せていないから。

何万、何十万人に対して、本当の自分をさらけ出せる人。
実名で、等身大の自分を発信出来る人。
ネット社会では、そういう人が
圧倒的な信用を勝ち取ることになる。
そしてネット社会での信用は、
3次元社会での成功と直結するのである。
自分を発信しないこと。
それは3次元社会において、家から出ない事と同じなのである。


尚、メールマガジンでは、コラムと同じテーマで、
より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」や、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。
毎週水曜日配信の安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。

メールマガジン読者登録