人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第123回 生きがいを奪う「時間給」という安心感

仕事の報酬って、お客さんが喜ぶ価値を提供できたからこそ発生するものですよね。先日のメルマガにも書いたんですが、例えば大工さんの仕事って、使い勝手が良くて長持ちして、職人の技が詰まったものに仕上げて初めて対価をいただける。

これはサラリーマンに限らず、士業やコンサルの「1時間いくら」という料金体系も同じ延長線上ですよね。時間を切り売りしているという意味では本質的に変わらない。お客さんにどれだけの価値を届けたかではなく、何時間拘束されたかで対価が決まる。

ええ、まさに。経営者でも下請け的に仕事を受けて、材料を仕入れて人を雇って残りが利益ですという発想だったら変わらない。お客さんが本当に喜ぶものを作らないと仕事に価値はないと気づいている人の方が、実は少ない気がします。

会社員の場合は「気づかなくても食べていける」というのが大きいんでしょうね。会社が仕組みとして考えてくれるから、顧客満足まで考える必要がない。有名な寓話で、石を運んでいるのか教会を建てているのか人々を幸せにしているのかという話がありますけど。

ええ。日本はこれだけ治安も良くて物価も安くて食べ物も美味しいのに、不安や無気力感がある。喜んでいるお客さんの顔が思い浮かばないような、自分がどうやって人の役に立っているかわからない状態で働いていたらそうなるだろうなと。

確かに確かに。今のお話を聞いていて思ったんですけど、成果主義ってあまりいい意味で使われないじゃないですか。でも「正しい成果主義」があるとしたら、上司が評価する成果ではなくお客さんの満足で測る仕組みですよね。

それがあるべき姿だと思います。10時間考えたものが1円にもならないこともあれば、3秒のひらめきがものすごい正解だということもある。まともに仕事をしている人なら、時間で対価が決まることの方がおかしいと感じるはずなんですけどね。

確かに。経営者の価値観に左右される部分はあるでしょうけどね。「言われたことを忠実にやってくれれば給料は払う」という会社が大半で、それが心地いいと思う人がこれだけ増えているわけで。仕事の生きがいがわからなくなるのは当然ですよ。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















