第113回 「髪を切る関係性」を超えた先にある、美容師の幸せ

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第113回 「髪を切る関係性」を超えた先にある、美容師の幸せ

安田

今日は美容師さんにとっての「良い人生」とは何か、深堀りしたいと思います。


岩上

ほう、面白そうですね。美容師の理想的な人生設計、みたいな話ですか?

安田

そうですそうです。売上をたくさん上げるとか休みを多く取るとか、いろんなスタイルがあると思うんですけど、岩上さんにとっての「ここだけは譲れない」というような「幸せの優先順位」を教えていただけますか?


岩上

そうだなぁ。そもそも皆さん、美容師を目指す時に「こんな美容師になりたい」というモデリングをすると思うんです。昔だと「芸能人御用達のカリスマ美容師」とか、今だと「高収入のフリーランス美容師」とか。

安田

なるほど。憧れの美容師像があるわけですね。


岩上

そうそう。でもそういう人たちが追い求めていることと、自分の幸せが合致するかといったら、必ずしもそうではない気がしていて。

安田

ああ、わかる気がします。「月商何百万円も稼げて幸せです!」という美容師さんの生き方・人生をそのまま真似ても、自分が幸せに生きられる保証はないですもんね。ちなみに岩上さんご自身の「幸せに生きるためのこだわり」は、どこにあるんですか?


岩上

僕はやっぱり「ハワイ」をテーマにしていることもあって、繋がりとか居心地の良さとか無理をしないことなどですね。で、同じような人生観を持つお客様とマッチングできて、担当し続けることが幸せだと考えています。

安田

素晴らしいですねぇ。それはやっぱり若い頃からそう思っていたんですか?


岩上

いやいや、全然!(笑) 若い頃はがむしゃらに働いていて、それこそプライベートは棒に振っていました。休みなんてほぼないし、遊びにも行けないし、友達の結婚式すら全く出られなかったですもん。

安田

そうだったんですか! 世間一般的な美容師さんってそういうイメージが強いですけど、まさか岩上さんにもそういう時期があったとは(笑)。


岩上

笑。ただね、そうやって働いていったその先に幸せがあるかといったら、意外とそうでもなかった。そういう経験も経て、今ではお客様も自分の人生の豊かさの一部だという感覚で働いています。

安田

なるほど〜。


岩上

ちなみにちょうど先日、久しぶりにマハロコで「夜カフェ」っていうのを企画したんです。

安田

夜カフェ?


岩上

ええ。みんなでお酒を飲んだりボードゲームをしたりする遊びの企画なんですけど、「夜7時から9時までゆるっとお店を開けてるので、お暇な方はどうぞ〜」ってInstagramでチラッと呼びかけただけだったのに、結構お客様が集まってくださったんですよ。

安田

事前に大々的に告知してないのに? それはすごいですね。


岩上

僕もびっくりしました(笑)。セミナーとか勉強会とかだったらある程度何をやるかもわかるし、人も集まりやすいじゃないですか。でも「夜カフェ」なんて、何をするかもわからないイベントにこんなに人が来てくれるんだーって(笑)。

安田

しかも「美容室」と「夜カフェ」って、何の関係もなさそうですしね(笑)。


岩上

本当ですよね(笑)。「仕事終わって急いできました!」という方も多かったですし、中には「遠方で行けないので差し入れ代として」ってPayPayでドネーションを送ってくださった方までいて。

安田

へぇ! それは嬉しいですね。


岩上

幸せだなぁって思いましたね。なんというか、美容師をやってて久しぶりに得られた「最高の報酬」でした。

安田

そんな素敵な関係性を作れるのってすごいですよね。ある意味、「髪を切る人」と「切られる人」という枠組みを超えちゃっている。逆に言えば、そういう関係性になれないと、なかなか本当の「人生の幸せ」や「充実感」と言ったものは得られないんでしょうか。


岩上

うーん…最初の入口が「美容師」と「お客様」という関係性になるのは、しょうがないですよね。で、ほとんどの方は、出口も同じ。何度もリピートしてくださるお客様に対して、ずっと「美容師」と「お客様」という関係を続けるのも、間違いではないと思うんです。

安田

ふむふむ。でも岩上さんは、出口の関係性が変わってくると。


岩上

そうですね。お客様だって、人生のいい時もあれば大変な時期もある。そんな中で、どちらの時期でも相談に乗ってあげられるような存在でいたいなとは常々思っています。

安田

なるほどなぁ。お客さんの人生に「伴走」しているんですね。大変な時に相談に乗れる関係性を作るのって、並大抵の努力ではできないと思うんです。でもそれができてしまう岩上さんって、やっぱりすごいなぁ!


岩上

ありがとうございます(笑)。「お客様のため」を思うのであれば、値段を下げたり休日返上でお店を開けたりするんではなくて、もうちょっと深くお客様に入り込んでしっかり話をする方がいいと思います。

安田

いや〜素晴らしい。岩上さんが美容師として「良い人生」を送られていることがよくわかりました!


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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