自立すべき人々

ダルビッシュ投手がツイッターを
やっているのは有名な話である。
最近はYouTubeチャンネルも
始めたようで、スポーツ選手としては
草分け的なインフルエンサーと言える。

トランプ大統領と同じく、自らの言葉で
ダイレクトに発信したいという思いが強いのだろう。
だがもちろん、狙いはそこだけではないはずだ。
スポーツ選手はSNSを
もっと真剣にやるべきだと私は思う。
なぜなら現役で過ごせる期間が限られているからだ。

現役時代に一生分の生活費を稼いでしまう。
超一流の選手ならそれも可能だろう。
だが多くの選手は引退後も、
何らかの仕事をして稼いでいかなくてはならない。
そして、そこで大きな壁にぶつかることになる。
多くのプロスポーツ選手は潰しがきかないからである。

子供の頃からスポーツしかやったことがない。
そういう人たちの引退後の職業は限られている。
チームに残ってコーチや監督になるか、
タレントに転身してバラエティー番組に出るか。
だがどちらも狭き門である。

それゆえ多くのスポーツ選手たちは引退後に苦労する。
元有名人としてお店を出しても成功する人は少ない。
どんな仕事が向いているのか。
どうやったら成功するのか。
何もわからないまま第二の人生を
スタートさせなくてはならない。

そこで大きな財産になるのがフォロワーなのである。
現役選手は一般人に比べ圧倒的な知名度があるので
フォロワーと繋がる素地はできている。
自ら発信し続けることで、選手以外の自分の価値や
求められる役割を感じ取ることもできるだろう。

自ら商品をつくり、
自ら顧客を集めることができれば、
引退後の人生は安泰である。
実はこれはそっくりそのまま経営者にも当てはまる。
組織のトップという特殊な仕事をやり続けた結果、
経営者はスポーツ選手同様、
いやそれ以上に潰しがきかない人材になっている。

だがその自覚がない。
それゆえ引退後に大きな壁にぶつかってしまうのである。
スポーツ選手同様、
現役時代に一生分の生活費を稼ぎ出せる人はいい。
だが多くの経営者は事業がうまくいかなくなって
引退を余儀なくされる。
つまり資産を事業につぎ込んでしまっているのだ。

引退後に資金が尽き、
組織も人材もいなくなった時、
社長という人種は使い物にならない。
ひとりでも食えるスキルを身につけておくこと。
そのためには現役時代から発信し、
自分のフォロワーを増やしておくことが重要なのである。

 


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