繰越欠損金のある会社を節税対策で事業売却するスキームは成り立つのか?という、質問に答えます。顧問税理士さんにはなかなか質問しづらい、頭のキレた質問です。と、本題に入る前にまずはヒモトレについて。(音声はこちら)
>>>大久保圭太氏のプロフィール

はい、いきましょう。この方、製造業の経営者、45歳の方からご質問いただいております。大久保先生、円道さん、はじめまして。45歳、男性、製造業の2代目おじさんです。父の経営する自動車部品製造の下請け業を15年前に継いで、順調に売上・利益ともに伸ばしています。ここ11年間連続で5,000万円前後の黒字を出し続けています。

すごいですね。自社の株価が上がりすぎていて株の承継が思うように進んでいないという悩みがあるものの、顧問税理士による特例事業承継税制適用の勧めや、配当をやめて株価を下げる、配当をやめて生まれたキャッシュフローで自社株買いを進めるなどの対策を現在進行形で進めており、こちらはなんとなく希望が見えてきました。今日は顧問税理士にあまり表だって相談できない話題について、ご相談させてください。

これ、もう1個あって、聞いてたらさ、税理士じゃなかったっていう。税理士だと思ってた人っていう。「前の税理士さんはこういう人でした。その前は税理士だと思ってたんですけど、税理士さんじゃなかったんです」って。

質問いきたいと思いますね。知人から経営する会社の廃業を考えていると聞かされました。決算書と申告書を見せてもらい財務状況を見てみると、金融機関借入・役員借入は一切なく、資産超過の状態です。30人いた従業員は同業他社にすでに引き取ってもらっており、社長1人だけの会社になっています。減価償却がほぼ終わった工場建屋や構築物が資産としてある以外は現預金が1,000万円ほどあるのみで、ある意味きれいさっぱりした会社です。普通に考えたら、このまま解散して清算してしまえるのだと思うのですが、法人税の申告書の別表7というところに繰越欠損金が7,000万円もあることに目がとまりました。というのも、直近7年ほどで作ってしまった赤字が年間1,000万円くらいのペースで積み上がっていました。それでもバブル期からの8年ほど前までに蓄えてきた内部留保のおかげで、金融機関借入を一度もすることなくこれまでやってこれたので、資産超過の状態を保ったまま従業員の整理まで着地できたということでした。そこで考えたのですが、このような会社の株式をなんとか二束三文で購入し、繰越欠損金の節税効果を価格に反映して高く売却できないでしょうか?

面白いですね。たとえば7,000万円×法人税の実効税率の約30パーセント、つまり「2,100万円の節税効果があるので、この会社の株式を1,000万円で買いませんか?」みたいなスキームです。銀行や証券会社の人脈から、その会社の法人格を使って事業をやりたい人に売りつけたいのですが……
・・・後半へ続く・・・