(音声はこちらから。)
のれんって、昔でいう営業権か。8,000万の簿外の価値を認めて買ってるんで。
ああ、そういう意味ですね。
そうそうそう。
あ、この概念を「のれん」と呼ぶんですね。
あ、なるほど。そういうことですね。
「のれん」が固定資産になる。
で、5年償却なんですね。
たとえば年間……そっか、2,000万ぐらい利益出てるんだろうからね、そうするとほとんど消せるじゃない?
っていうので落としていくっていうのがあるけど。あとは税務だけじゃなくて、子会社のまま置いとけば、たとえばデューデリをちゃんとしてればいいんだけど、この子会社に関する簿外債務、隠れた債務っていうのは、ちゃんと調査しないと、吸収合併しちゃうとその会社にくっついちゃうから。そうすると、もともと持ってた会社の債務になっちゃうっていうリスクもあるので、そこを避けたいんだったら事業譲渡、サーバー保守の会社の事業の中身、法人という箱は置いといて、事業だけを……
M&Aだよ。
M&Aのやり方のひとつですね。
そうそうそう。M&Aって幅広いんで、分割とか組織再編みたいなのを含……どうやって取得するか。まあ、基本は株式取得、合併、事業譲渡ぐらいだろうけど。で、事業譲渡をすればその負債を引き継がないで、単純にさっき言った「サーバーの5,000万と負債3,000万を1億で買ったよ」って仕訳になるから、営業権がついてくるというね。
営業権というのは?
ああ、のれん。
のれんのことですか。
のれんが結局ついてきて、うん。
事業譲渡で買った場合は、買収先の会社に簿外債務があった場合に置いてこれるっていう。置いてこれるというか、リスクを負わない。
え、B/S上でいうとどうなるんですか?
ちょっといいですか、聞いて。
はい。
「簿外債務」っていうのは?
簿外債務っていうのは、たとえばよくあるのは未払い残業とか。
ほぉほぉほぉほぉ。
あとは「ほんとは連帯保証してる」とか。で、その連帯保証先が飛んじゃって、みたいなので。
ああ、なるほど。そういう意味ね。
そういうことっすね。デューデリしないで「くっついてきたぞ」の、よくあるパターンの話です?
それって詐欺的な話にはならないんですか?
そうそう。「いや、実はハンコ押しちゃってるのがあるんだよね」みたいな(笑)
まあ、あんまりないとは思うけど。
そう。譲渡でやると契約をぜんぶ書かなきゃいけないから、すげー大変は大変だよね。
ああ、そういうこと。実務的な話ですか。
実務的。だって、社員も解雇じゃないけど転籍みたいな形で。
なるほど。で、先方との契約もぜんぶ巻き直しか。
そう、契約変えんのがね。そのときにOK出るかどうかとかもあるから。
たしかに。
「向こう側」っていうのは売る側?
売る側。要は2,000万しかないものを1億で売ってるから、8,000万は法人税かかるんで。
そういうことですか。これ、事業譲渡じゃない場合は、売却益はどういう計算になりますか?
株の売却だから個人で20パー。まあ、個人が持ってるか知らないけど。
そうそうそうそう、利益になるっていう、それで変わってくるっていう。
I See.
あ~今日は難しぃ~っ!
与太長かったから(笑)。伝わるかドキドキしながらしゃべってた(笑)
いや、勉強になりましたね。なるほど。でも、素人しては、M&Aにも売り方がいくつかあって、株式譲渡もあれば事業譲渡みたいなのもあったり。
そうだね。そのへんはやっぱスキームをちゃんと、税務も入れて考えないといけない。それこそ、再生とかM&Aのときは税務で大きく差が出る可能性があるんだよ。
うん。
じゃあ、まさにこの方がおっしゃってるとおり、「こういうディールなんだけど、じゃあ税務上メリットがある方法はあるのか」っていうのは、プロからすると「はいはい、そういう質問ね」っていう感じだったんですね。
っていうか、それ、仲介ちゃんとつくらせろよと思って(笑)
いえいえ(笑)
というわけで大久保先生、ありがとうございました。