このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ 先人の教え
先日、某大手メーカー役員のSさんに食事のお誘いをいただきました。
ご案内いただいた店は、銀座の寿司屋さん。敷居の高そうな店構えでしたが、暖簾をくぐると、笑顔の素敵な大将が気さくに出迎えてくださいました!
Sさんは古くからの常連のようで、大将とかけ合いしながらテキパキと好みのネタを注文し、酒もグイグイと飲み干していらっしゃいました。
楽しい宴は続き、Sさんは、「自社の人材育成」や「社員の方々の活躍ぶり」などを上機嫌にお話くださっていたのですが、
「最近は、深夜残業や徹夜なんかは、時代に合わない働き方になってきちゃったよね。。」
寂しそうにポツリとおっしゃいました。
「ここの大将もそうだけど、僕らの時代は『人の2倍、働こう』、『他が3年かかって覚える仕事なら、1年で身につけよう』ってな思いでガムシャラに働いたもんだよ」
「今は、遅くまで働きたくてもなかなか働きづらい、そんな難しい時代になってきたよな。。」
「生産性向上だ、働き方改革だ、と世の中が騒いでいるけど、時間を無駄にしないで、何事もテキパキとこなすには、“下積み、修業時代の頑張り”が大事になってくると思うんだよね」
酒が進んでいる先人の教えには、「おっしゃる通り」と回答することに決めている高松は、大きく頷きました。
Sさんは続けて、
「経験の積み重ねが、細部までのこだわりを生むんだよ。少しくらいのスキルや技術だけじゃビジネスマンだって、料理人だって大成しない」
「仕事にも人生にも“締切り”ってものがあるんだから、寝る間も惜しんでガムシャラに生きる時間があっても良いと僕は思うんだよね」
人生の先輩が語る熱い話に、またまた「おっしゃる通り!」と返そうとすると、、
大将が、
「高松さん。この話ね、道場さんの言葉ですよ。若い頃、六三郎さんのところで修行していて、この話をSさんにして以来、酔うと一緒に来た方にお話されるんですよww」と手をたたきながら突っ込むのです。
「大将、ネタばらしは止めてよぉ。じゃ、次のネタはバラチラシでもいただこうかな。ガッハッハ」
「私も同じモノをお願いします」とは言わない高松でした。。