第75回 「ルール」がお好き

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ 「ルール」がお好き

「成分の虚偽記載、粉飾決済の隠蔽、官僚への高額接待」などなど、

大手さんには「華やかな表の顔」とは別に、裏に「闇を抱えている企業」が存在していることも事実かと。

大手関連のコラムを掲載し続けていますと、中で働く社員さんから「相談や情報提供」などをいただくこともあります。

もちろん、一方的なご意見でもありますので、企業名などを含め、他に漏らすことなど以ての外。

ですが、
何かネガティブなことが明るみになると

「これでまたルールが増えるんですよ。ウチはルールを作るのが好きですから」

と共通の声も聞こえます。

・商品提供までのすべての工程における厳重チェック体制の確立

・会計監査における社内責任者の複数設置

・いかなる場合であっても社の費用を活用しての接待禁止(場合によっては上司からの事前承認を得ることが必須)

などなど、「増えた社内ルール」についてお聞かせいただくこともあります。

そして社員の方が、そろっておっしゃるのは、

「このルール。以前と変わった点は、社員にとって『面倒なプロセス』が少し増えた程度で、経営陣の『何が変わったのか』は、よくわからないんです」とのお言葉。。

以前、ある方から「上が勝手にやっていることなのに、どうして私たちが面倒に巻き込まれなきゃいけないのか」と憤りの声を伺ったことがあり、「上ってどなたですか?」と軽い気持ちで反応したところ、

「わかりませんよ。問題の本質にたどり着こうとしても時間がかかるだけですし、いくら時間をかけてもたどり着けるとは思えませんから。。」とのご返答。

人間の感情が引き起こす多くの問題。ましてや「価値観の異なった多くの他人が集う組織」ですから、数多ある感情を解きほぐすには時間がかかりますね。。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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