第104回 職場の飲み会症候群

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ 職場の飲み会症候群

大手生保が公表した「飲みニケーション」についてのアンケート結果(回答:男女7774人)に、ネットが盛り上がりを見せ、多くのメディアでも論争が起こっています。

「職場の方との飲みニケーションは必要か?」との問いに、

・不要/どちらかと言えば不要=61.9%
・必要/どちらかと言えば必要=38.2%

上記の結果が出て、アンケート調査依頼、初めて「必要・不要」に逆転現象が起こったようなのです。

こんなテーマについて、某大手さんの「マネジャー研修」の場で、軽く意見交換をしていたのですが、

・暗黙も含めて、強制参加は残業と同じ、なんていう若手が増えてきたけど。ありがたい価値観

・昔は、飲み会後に、「配慮が足らん」なんて小言を言う上司がたくさんいた。キツかった。。

パワハラやセクハラが疑われやすい。参加するメリットなんてほとんどない

コロナの唯一の恩恵。これで部下を誘わなくてもよい風潮になってきた

そんな、声が上がっていたのです。

40代後半から50代半ばの方々の集まる場だったので、「飲みニケーションは絶対に必要だ!」「リアルで膝を突き合わせてこそ、信頼関係が生まれる!」などのご意見が多く上がるのかな、と想像していましたが、冒頭のアンケート結果と近しい状況に少し驚きました。

どなたかが、

「これ。大事なのは、『職場の方との飲み』ってところですよね」

「だって、職場だったら、上司か部下と行くわけでしょ」

「どっちと行っても、仕事の延長。気を遣うし、、貴重な時間も、なんなら金も使うでしょ。。」

なるほど。

どうやら、若手世代だけでなくベテラン世代にも同様の悩みがあったようですね。

続けて。

「重い荷物がしんどくて、学校に行くのがイヤだ、憂鬱。という小学生が増えて『ランドセル症候群』なんて言われているみたいだけど、ウチの会社は『職場の飲み会症候群』で溢れているよな。。

研修後は、どなたも誘わずにひとりで酒場へくりだしたのですが、

職場。お客さん。仕事のパートナー。
どなたからでも、お声がけいただければ「喜んで!」と答える、自らの感性ってどうなんやろ、、と自問自答し、酩酊してしまいました。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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