第155回 「メール返信」の作法

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/「メール返信」の作法

大手人事の方々との雑談機会に「メールの返信時間」についてのアレコレが、何度か話題に上がりました。

いずれの企業も「メールの返信が遅い人たちが増えている」ことが背景にはあるようですが、

上がってきた声が興味深いのです。

・私たちの時代は、早朝、深夜、土日休日だろうが、「即レスを心がけよ」と教えられた。「早ければ、早い方が良い」。こんなことは「ビジネスの基本中の基本」ですよね?

「反応遅い」と、上司・先輩はもちろん、お客さんにもド叱られた

・メールを確認した瞬間に「その場で返信」すれば良いだけなんだから、新人・若手、経験の浅い人間でも「誰でもできる」よね?

大多数が、上記のようなご意見。

一方で、

それぞれの会社の「若手層との雑談」では、

・最近は、メールだけでなく、LINEなどでも要件を送りつけてきて、「既読にならない、、」「まだ見てないの??」などと連呼してくる上司が増えてきた。。

・しかも、業務時間外に何度も携帯を鳴らされ、、要件があるなら、留守電に入れてくれれば良いのに。まあ、業務時間外ですから、「内容と相手によって」対応は変わりますけどね

「電話の延長くらいの感覚」で、メールやチャットツールへの反応を求める傾向にあるのが、50代の常識。。

・金曜の夜遅くに、「相談」というタイトルで依頼メールを送ってくる先輩が多い。「週明けの対応でOK」とは書いてはいるけど、受け手は休日も頭から離れなくなるし、送り手の自己満足やと思う。自分がスッキリしたいだけ

などの声が大多数で、、

かなりの「ギャップが存在」しているようなのです。

そんな話題が続くわけですから、高松の元には、多くの企業さんの「メール返信についての感情」がたまりまくってきているのです。

たっぷり溜まった情報を整理して、某大手さんにて「切れ者人事」と呼ばれるおふたりに共有してみたのですが、

その反応も興味深いものでした。

・Aさん

真夜中にLINEやメールを送って、即レスを求めたり、ましてや怒るだなんて筋違い。それらのツールは、「非同期通信」であり「同期しないのが本質」。同期させたいなら、電話を選択すること。ということは、真夜中や業務時間外に、「電話してまでも対応が必要かどうか?」を考えれば、行動は変わってきますよね?

・Bさん

会社や組織によって、「常識は異なる」。うちは深夜だろうが、休日だろうが、構わずガシガシ、メールが飛び交います。でも、返信がないなら、休みで対応できないんだな、と理解します。仕事をしたい人、対応できる人は、やればいい。それだけのこと。

いずれの企業も「働き方の見直し」をTry and Errorで取り組んでいるのですが、メールの返信ひとつをとっても、色々と感じることがあるようですね。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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