このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/味わい深い人生の過ごし方
某大手さんとの雑談時に、Z世代を中心とした「若手の動向」について教えていただきました。
「高松さん、就職先にマグロ漁船を選ぶ若手が倍増しているって知ってます?」
そんな問いかけをくださったのは、人事マネジャーSさん(50代前半)。
「タイパの追求は、いよいよここまで来ているんですよ」と、某webマガジンに記載されていたという情報を紹介してくれたのですが、
「世の中には、若手世代をターゲットとした商品やサービスが溢れ、しかも好調な成果を生み出していますが、例えば、、、」
・ショート動画(TikTokなど)
→何かをするには短すぎるが、何もしないと退屈という「スキマ時間に娯楽的満足感」を提供
・chocoZAP
→「コンビニジム」がコンセプト。服装自由・靴も履き替えずに、ふらっとコンビニに寄る感覚で運動ができる。月額2980円で、365日24時間使い放題
・flier
「1冊10分で読める要約!ビジネスパーソンがいま読むべき本を厳選!」をコンセプトに、社会人や就活生を対象に良書との出会いを促進する時短読書サービス。通勤、通学時間などのスキマ時間に活用して知識を得られることから、意識高い系な方々が広く活用
・サビカラ(JOYSOUNDなど)
曲において、最も盛り上がるであろう「サビ部分だけを歌えるサービス」。一人カラオケでも仲間とでも盛り上がりを追求できる
・マッチングアプリ(Omiaiなど)
Z世代の特性として、一人と長くやりとりを続けるよりは、同時進行(平均:同時に4人以上)で、簡潔なメッセージでのやりとりを行い、そのなかから気の合う人を探し、「効率よくデートにつなげて、短期間で恋人関係に発展」させられる
丁寧かつわかりやすく、上記サービスについて紹介してくれたSマネジャーですが、
続けて、
「ウチって、現場スタッフの採用で苦戦しているじゃないですか?」
「特に参考にしたいな思ったのが、はじめに話したマグロ漁船の採用話なんですよ」
「気仙沼市での例なんですが、遠洋漁船での仕事を選ぶ若手世代が急増しているようで、前年度の4倍以上だったみたいで、、」
・遠洋マグロ船の場合、「長期間(10ヶ月程度)海上で過ごし、帰港したら2ヶ月程度休み」というパターンが多い
・水揚げ次第では1年目でも「年収500万円が可能」(大卒初年度平均より倍以上!)
・さらには、船に乗っている間は「家賃や食費、光熱費が不要」
とのことで、
「ウチの現場みたいな3K職場でもタイパ・コスパを向上できれば若手を集められる可能性もありますよね!」
「今後の若手採用や育成について、大きなヒントが得られた」と楽しそうに話してくださいましたが、
同席していた他の方々からは、
・Aさん(20代後半)
新人に作業手順書を渡して、なんのために、この作業をやるのか目的を説明しようとしたら、「手順書あるんでしたら、時間勿体無いから説明大丈夫ですよ」って言われました。。
・Bさん(40代後半)
flierはポイント学習として活用するならいいと思いますけど、、「ドストエフスキーを要約で読んでも無意味だし、ベートーヴェンやブラームスを飛ばして聴いてもその世界観は解らないでしょ?」
などの声が。
人生は正解のあるクイズ番組ではありませんし、芸術や、文化的教養などに触れるという「『味わい深い人生』を過ごすには、『無駄やゆとり』を楽しめるスタンスが大切なのでしょうね」
知らんけど。