第227回 会社の辞め方

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/会社の辞め方

日頃よりお付き合いいただいている「大手各社で働く方々」においては、先日の「ゴールデンウィークは、最長で10連休」を取得する方が多くいらっしゃいました。

ベテランも若手も新入社員であってもそれはほとんど同様であり、みなさん英気を養っていたご様子。

しかし、いざ職場に戻って「仕事にのぞむぞ!」となったタイミングでは、「今日からまた仕事や、、」なんて気持ちになる方も多くいらっしゃったようで、、

特に新入社員のみなさまにおかれましては、

・しばらく会社携帯をずっと電源オフできてたのに。。

・また現実に戻るんか、、

・切り替えが大変や。。

・ほんまにこの仕事、職場は自分に適しているんかな、、

・他の生き方だったら、どうだったんやろ。。

なんて、少しの気怠さなども感じ、しっかりと「五月病」なるものになっている方も少なくないご様子。

そんな連休明けの某大手さんとのミーティングで、聞こえてきたのが「退職代行で辞めていく方が増えているんです。。」というお声。

「退職代行」とは、本人に代わって勤め先に「会社を辞めます」との意向を伝えてくれるサービスで、近年注目度が増しているようなのですが、

「休み明けに、立て続けに退職代行会社から連絡があって、、」と人事マネジャーのHさんが続けます。

「◯◯さんから依頼を受けた退職代行サービスのXXです」

「ご本人様の希望で、即日での退職を希望されています」

「御社から貸与いただいているものは、後日郵送で返却させていただくとのご伝言を預かっております」

といった流れの電話連絡が3件入ったのだそうです。

新人を含む若手社員からの依頼だったようですが、他社でも同様の話をうかがいましたが、

・手をかけずに速やかに辞めたい人のニーズを汲み取り、ビジネスとして成り立たせていることがすごい!

・2万円程度で面倒くさいことを代行してくれる。タイパ、コスパを求める世代には便利なサービス。ますます繁盛するんやろな!

・昨年、同期が退職代行を使って辞めていったけど、引き継ぎすらしないでいなくなったので、誰と何をどこまでやってたのかの確認がしんどすぎた、、

・普通に仲良くしていた人が辞めていったけど、何の相談も無かったということに寂しさを感じました、、

・一緒に担当していたお客さんから「〇〇さんと連絡付かないんだけど、、頼んでたあれはどうなってるの?」などの連絡が入り、謝罪しまくった。。もはや思い出したくもない、、

様々な感想を聞かせていただきましたが、ベテラン人事さんがおっしゃっていた言葉が印象に残っています。

「俺にはわからんわ。自分で求人を申し込んで、面接も受けることができるのに、都合が悪くなったら、他人に頼んで退職していく。そしてそんなことがビジネスにまでなっている、、」

「自分のケツさえ自分でふけない、ひとりよがりで迷惑な大人が増えていくのかもしらんよな」

「ラクをすることを真剣に考えている人は魅力的やけど、安直に考えてるやつは薄っぺらいよな」

ペラペラなわたしに投げかけられているようなメッセージにハッとした出来事でありましたとさ。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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