第254回 例え話の活用法

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/例え話の活用法

 

某大手さん、若手研修でのひとコマ。

20名ほどが参加する「2年目研修」にて、私よりも先輩と思しき講師さんが、

・ベンチから声を出しているだけでは試合は動かせない。失敗を恐れずに打席に立とう!

・100本ノックや素振り1000本と経験値を積むことで一人前になっていくんだ!

・打って、走って、投げて、守って、同時多面的に物事を考えるのが仕事。そうすれば将来は2刀流どころか1人何役もこなせる名プレイヤーになれるよ!

など、「例え話」を交え、熱く語ります。

そんな研修終わりの懇親会に「若手が集まるテーブル」に混ぜていただいたのですが、

「いやぁ、例え話がわかりにくかったよね、、」

「なんとなくイメージできる部分もあるけど、しんどかったわ」

「そもそも野球をやったこともないし、ルールもよくわからんし、、」

「おれも、わたしも、、」

そんな声がそこかしこからあがっていたのです。

もう少し聞いてみますと、

「例え話ってさ、誰もが理解できるかが大事よな」

「ウチの上司もだけど、自分の趣味の分野をコッチも知ってる前提で話してくるのは、なかなかに難しいよな、、」

「あとさ、『プロセスが大事』とか言うのに、スポーツの例え話とかばかりなのが『違和感』あり過ぎよな」

「どう言うこと?」なんて聞き耳を立てていると、

「頑張るとか努力するってのは、めちゃくちゃ大事やろけど、、」

「『努力』より、何より『勝利』が最上段におかれているから、スポーツって面白いし美しい。結果が目に見えてわかりやすいから、フェアであり、時に残酷やんか」

なんだか、「Numnber」なんかのスポーツ雑誌で目にするようなコメントが聞こえてきます。

「結局さ、おれらの仕事も『プロセスは大切』だけど、その前に『勝ちきる覚悟』とか『最上段の目的』があってこそよな」

「まあ、そういう意味では良い研修だったよな」

と、何やら、有意義な機会となっているようでした。

ちなみに彼らによると「世界の競技人口」は以下のデータのようで、、

・野球:3,500万人
・バレーボール:5億人
・バスケットボール:4.5億人
・サッカー:2.5億人
(某大手若手さん調べ、、)

ベテラン講師や上司のみなさま。
スポーツの例え話をする際にはご注意くださいませ。。

 

 

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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