このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/10年後の大手さん
若い世代の価値観、特に「労働観は激変」しつつあります。
20代のほとんどが「10年以内の転職は当たり前」と考えていますし、「管理職への昇進など興味がない」、そんな話を頻繁に耳にしませんか?
これは中小に限らず、「大手でも同様」の傾向です。
実際に某大手さんの「若手研修」で、こんなシーンを目にしました。
人事部門のベテランAさんが、
「10年後にはどこの部署にいるかな?」
なんて若手さんたちに問いますと、
半分の方が「どこそこの部門で活躍していたい!」と、「ポジティブな回答」をします。
「じゃあ、もう半分の人たちは当社から離れているのかな?」
なんて、Aさんが笑いながら問いますと、
「先ずは、今の部門で活躍できるように頑張ります!」と、「謙虚な回答」をなさるのです。
そんな反応をみて、Aさんは
「最近徐々に増えてはいるものの、ウチは定着率が良いから、そんな簡単には辞めないんですよ」
なんて、ご自身を安心させるかのようなコメントを高松に伝えてくださいます。
研修中には「前述のような返し」をしていた若手さんたちですが、「人事のAさんが不在の懇親会」に混ぜていただくと、
「10年後に、どの部門で活躍していたい?なんて質問されたけどさ、、、」
「5年以内には外で活躍できるようになることしか考えていないわ」
「一生、ひとつの会社に人生を委ねるなんて、想像もつかんしな」
「他社でも活躍できるスキルと経験が獲得できたら、すぐにでも出ていきたいわ」
「給与アップなんて微々たるもんやし、管理職昇格なんて目指すわけもない」
などの本音を語り合ったりしているのです。
大手さんであっても、若手の労働観は「グローバルスタンダード」にどんどん近づいているのです。
「滅私奉公」なんて言葉は存在しないでしょうし、、
「仕事第一の生活」を強いることも不可能なのです。。
いやはや時代は変わったもんですね。
ちなみに、30年ほど前に「某金融機関」に勤めていた先輩によると、若手時代の「2年目研修」の時に、「60歳までのキャリアプランをつくってみて!」というワークがあったそうで、同期たちは「当たり前」のように取り組んでいたようです。。
なんとも「牧歌的な時代」だったのですね。