第273回 「名門企業」の新人育成

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/「名門企業」の新人育成

 

中国地方における「名門企業」と名高い某大手さん。

グループ数社の「新入社員たち200名」ほどが集まる「合同新人研修」には、各社の「先輩社員たちも同席」くださいます。

「OJT担当」として、新人さんたちの「これからの『成長促進』に携わるお役目」ですから、「人あたりも良く、話しかけやすい雰囲気」の方々が揃っております。

そんな先輩たちが、「休憩時間」に会場外の喫煙スペース付近で集まっておりましたので、近寄ってみますと、、

「いやぁ、『最近の新人研修』は講師は優しいし、ゲーム感覚みたいなワークばっかりやな」

「正直、ぬるいよな」

「確かに!」

「僕らの頃は『大声で社是や理念を昌和』させられたりしましたよ」

「俺らの時は、まだ『自衛隊研修』なんてのがあって、夜中の3時に突然叩き起こされて『30km先の神社』まで歩かされたりしたわ、、」

「まあ、今どきそんな研修やってたら、『拡散』されて人が集まらん会社になっちまうよな」

「でも、研修でも、職場でも優しく扱わないといかんなんて、仕事も教えづらいわな、、」

何やら、各社のOJT担当さんたちが「若手育成の難しさ」について、「周囲に煙をモクモク」させながらぼやいているようなのです。。

すると次に耳に入ってきた声は、

「今の新人たちって『タバコ吸うヤツ』どれくらいおるんかね?」

「わからんよなぁ。今は『研修中』に吸ったらあかんくなったんやろ?」

「俺は『2016年入社』やから、オッケーでしたよ」

「あ、、僕『2017年入社』ですけど、NGでした」

「じゃあ『17入社』からNGになったんやなぁ」

なんて笑い合いながら、満足そうにタバコをふかすのです。

「新人には禁煙を課すのに、自分らは吸うねんなぁ」などと心で呟いておりましたところ、

「お前ら、タバコやめろや!」と一喝する声が!

見た目も厳つく渾名は軍曹とされる「97入社のレジェンド」が現われたようで、

「流石、先輩や!」と思った矢先、、

「あ、軍曹!お久しぶりです。どうしたんですか?」と返すOJT担当さんたちに、

「俺、『健康診断』引っかかったんで、今月から『禁煙』してんねや、」

「だから、『俺の目の前』では吸うなや!!」

「そんな無茶な。横暴や!」

と笑い転げる先輩たちの横を、新人さんたちが挨拶しながら通り過ぎるという、、、

なかなかなシーンに出会した春だったのであります。。

名門企業に入社した新人さんたちの先行きやいかに、、

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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