第278回 ぶっちぎりの存在感

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ぶっちぎりの存在感

 

「YKK(ワイケイケイ)」と聞けば、「チャック、ファスナー」で世界に知られる、日本が誇る「非鉄金属メーカー」です。

そんな同社が、「ユニークな取り組み」にチャレンジしています。

なんと、「自走式ファスナー」なるものを開発中なのだとか。しかも、ターゲットは「産業資材向け」なのです。

「え?なにそれ?」と首をかしげる方もいらっしゃるかもしれませんね。

実はこれ、「大型テントや膜構造建築(ドーム球場)」などに使われる巨大ファスナーのお話。

これまでの開閉作業は、高い場所での作業が避けられず、「熟練の職人さん」たちの「技と経験」を駆使して、じっくりと時間をかけて行われていました。

ですが、この「自走式ファスナー」を活用すれば、遠隔操作で楽々開閉!

つまり、「高所作業のリスク軽減、安全性向上、作業時間の大幅短縮」が期待されているのです。

同社グループでは、「善の巡環(YKK精神)」「更なるCORPORATE VALUEを求めて(経営理念)」を全ての事業活動の根幹に掲げて新たな取り組みに励んでいますが、

他にも、「認知症当事者」に触れていただき、対話を通じて開発・改良を行う「当事者参画型開発」を進め、「誰でも開け閉めがしやすいファスナー」の開発にも成功しています。

この取り組みは、経済産業省の「オレンジイノベーション・アワード」「最優秀賞」を受賞!まさに「“善の循環”を体現」したプロジェクトですよね。

そんな素敵な話を伺いましたが、最近は海外製のファスナーも増えてきているようです。

ですが、「チャックと言えば、YKK」「ぶっちぎりの存在感」を見せつけてほしいのであります。

 

 

著者の他の記事を見る


 

高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

感想・著者への質問はこちらから