このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/地元愛の象徴。いざ大手市場へ!
「沖縄と言えば?」の問いに必ずや上がってくるであろう「オリオンビール」さん。
その「象徴的な存在」が、ついに東証プライムに上場しました。同社によれば、沖縄のメーカーが上場するのは初めてなのだそうですが、これは、単なる「地方企業の快挙」ではなく、“地域ブランド”が“大手の土俵”に打って出た瞬間とも言えるでしょう。
「オリオン」は1957年創業。
南国の気候に合うスッキリとした味わいで地元民に愛され、観光客には「沖縄に来たぞ感」を与える存在に。
Tシャツを中心とした「グッズ販売」、「ホテル・観光施設の運営」など、すでにビールの枠を超えた「ブランド展開」も進んでいるのですが、
実は、今回の上場劇には、注目すべき“資本提携”が含まれているのです。
「近鉄グループ」との提携は、流通・観光との「連携強化」を意味し、オリオンが単なる酒造メーカーではなく、「地域統合型企業」へと脱皮しようとしている証ではないでしょうか。
とはいえ、ビール市場は寡占が進み、競争は激化。。
全国区の強豪の中で「沖縄らしさ」がどこまで戦えるのか、その答えはまだ見えません。
ですが、市場はこの挑戦を歓迎している様子。IPO時には買い注文が殺到し、初値が付かない場面も。
地域資源をいかに“らしさ”を失わずにスケールさせていくか!
これは、今後ますます重要になる視点だと感じます。
大手だからこそ、「“地元愛”と“全国戦略”の両立」が問われるのです。
ちなみにワタクシ、沖縄に行くたびに、到着後すぐにオキハムをつまみにオリオンビールで流し込むという作業を続けているのであります。
カリーサビラ!(乾杯!)