庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第91回 庭の本質は「冬」に出る

中島さんはガーメントデザイナーとして、「家に服を着せる」というイメージで庭を作っているということでしたよね。前回、「四季のある庭」という話が出ましたけど、春夏秋冬で服が変わるように、庭も装いを変えるということなんでしょうか。

いろいろ理由はあるんですけど、庭を作った業者さんが木の選び方を間違えていることも多いんですよね。成長が早い木を植えちゃって、結果電信柱みたいな状態になってしまう。あとは単純に剪定技術がなくて、枝を切りすぎちゃってるケースとか。

そうですね。できるだけ成長の遅い木をオススメするようにはしています。剪定に関しても、切った所がわからないくらいの自然な仕上がりを意識しています。あとは季節ごとの表情を考えますよね。どの季節にも見どころがある庭にしたくて。

わかります。完全にコンクリートの壁で遮っちゃうと味気ないし、でも丸見えも嫌だし。ちょうどいい「透け感」があるのが理想なんでしょうね。うーん、ますます「四季のある庭」って言葉じゃ表現しきれない気がしてきました。「365通りの庭」みたいな。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。