庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第92回 「野面積み」の技術は日本の大切な資産

以前お話を聞いた野面積みというのがすごく気になってまして。自然石を加工せず積み上げる工法だということですが、かなりの技術がいりますよね。

近しい部分はあると思います。あとはデザイン的な技術も必要なんですよね。30センチくらいの分厚い石と、10センチくらいの小さめの石を組み合わせて模様を作っていくので。どういうデザインにするか、そこが職人の腕の見せどころでもあって。

すると思いますね。見た目の美しい石積みは、構造としても安定しているので。ちなみにマニアックな話をすると、横に長く積んでいくのが基本なんですが、どうしても縦に積んでしまう人がいるんですよね。そうすると崩れやすく見た目も悪くなってしまう。

全くコンクリートを使わずに土だけで固定する「崩れ積み」という方法もありますよ。野面積みだと横長に積んでいくのに対して、崩れ積みは縦に差し込むように積んでいくんです。その分、さらに高い技術が必要になりますが。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。