第23回 これからの主流は、ノンアル飲料

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第23回 これからの主流は、ノンアル飲料

安田
久保さんは、お酒とはどういう付き合い方をされているんですか?

久保
お酒・アルコールは、体に良いか悪いかで言うと、悪いものだと思っています。
安田
ということはつまり、久保さんはお酒を飲まれない、と。

久保
…いえ、飲みます(笑)。
安田
あ、飲むんですね(笑)。

久保
ほら、「酒は百薬の長」って言うじゃないですか。
安田
適度な量のお酒であれば、かえって体には良いんですよ、というアレですか?

久保
そうそう。ただあれって実は、中国・新王朝の皇帝が、民から酒税を取るためのキャッチコピーとして言い出したらしいんですけどね(笑)。
安田
え、そうなんですか?

久保
ええ、何の根拠もない話らしいです(笑)。
安田
信じていたのになぁ(笑)。適度な酒が薬に勝るかどうかは置いておいても、世界中にいろいろなお酒がありますよね。日本には日本酒、中国には紹興酒、ドイツのビールやフランス・イタリアのワインなど。

久保
確かに。世界各国に、その土地ならではのお酒がありますね。
安田
で、その国々のお酒に合うように、その地域の料理も進化していったんじゃないかというのが私の仮説なんですよ。

久保
なるほど。日本酒は日本食によく合うし、ドイツのソーセージにビールは欠かせないですしね。
安田
はい。そもそも世界にはまずお酒があって、それに合うようにいろいろな料理が生まれてきた。そう思うんです。

久保
そのお話を聞いて思い出したのですが、地酒にはその土地の情報がすべて入っているんですよ。
安田
ほう、土地の情報ですか。

久保
ええ。たとえば日本酒は米から作られますよね。米は、その土地の水・栄養・太陽の光で成長し、さらにそこにその土地のお百姓さんの手間が加わる。それはまさに「天地人」すべてが関係しているわけです。
安田
なるほどなるほど。

久保
そうやって育った地元の米に、さらに地元の麹と地元の水が加えられ、地元の人が作り上げたのが、地酒なんですよね。
安田
あぁ、確かに「地酒にはその土地の情報がすべて入っている」。

久保
はい。だからこそ地元の食材に合いますし、神事には必ず地酒が使われているのではないかなと。西洋ではワインがこれにあたりますね。世界の神話にはお酒がつきもの。きっと何か意味があるのではないかと…。
安田
…でも体には悪いんですよね?(笑)

久保
そうですねぇ、習慣性も中毒性もありますし。そういった意味では砂糖と似ているんじゃないかな。私はアルコールって合法の薬物だと思っていますから。
安田
ところが最近、世界中でアルコールを飲む人が少なくなってきているらしいですよ。特に若い世代の人ほど飲まなくなっているんですって。

久保
それは日本も?
安田
はい。みんなアルコールじゃなくて、ノンアルや微アルを飲むようになってきているそうです。あの酒好きなドイツ人でさえ、ノンアルビールを飲む人が増えている、と!

久保
へぇ〜そうなんですか。それは驚きですね。
安田
つまり、今までの人類はお酒を必要としてきたけど、ここを分岐点に、そうではなくなってくるかもしれないってことですよ。

久保
これからの人類はもうアルコールを必要としない、と。
安田
ええ。そういう意味では、砂糖もだんだんと食べる人が減ってくるかもしれない。タバコを吸う人も減りましたしね。なんというか、本当につまらない未来になりそうですよね(笑)。

久保
笑。まあ、お酒もタバコも甘い物もなくなった世界が、果たして健康だと言えるのかはちょっと疑問ですよね。そもそも心が整っていてこそ、初めて「健康」だと言えると思うので。
安田
ああ、そうですよね。嗜好品が全くない世界なんて、健康じゃないですよ(笑)。

久保
お酒や砂糖が体に入るとドーパミンが出ますけども、それは必ずしも「悪」ではないと思っていて。うまく使えれば、心を整えたり気持ちにハリが出たりするんです。
安田
ですよね? 楽しい気持ちがあるほうが、体を守る「免疫力」も高くなりそうです。

久保
仰る通りです。確かにアルコールは体に悪いものではあります。でも依存することなくバランスよく使うことで、結果的に「健康に良い」状態にもっていけるんだと思います。
安田
だからこそのノンアルだと、私は思うわけですよ。お酒を飲む人の多くは、酔いたいとは思っていないはずなんです。好きなお酒を飲みながらの食事はより美味しく感じるじゃないですか。

久保
あ〜わかります。心の楽しみのために飲むんですよね。酔うために飲む人は、もはや病気ですから(笑)。
安田
そういう意味でも、大多数の人がノンアルコールを飲む時代が、すぐそこまで来ているのかもしれないですね。

久保
実は私も最近、お酒を飲む頻度がかなり減りました。
安田
久保さんもですか? 実は私もなんですよ。

久保
そうでしたか。私は名刺に「好きなものはウイスキー」と書くほどお酒好きで。365日中360日は飲んでいるような人間だったんです(笑)。でも最近はノンアルコールビールばかり。最近のノンアルはむちゃくちゃ美味いし、もちろん食事とも合いますし。しかもオーガニックだったりしたら、もうこれでいいじゃん、と。
安田
わざわざアルコールを飲まなくても、ノンアルで十分だと気づいてしまったわけですね(笑)。

久保
そうなんです。ここ数年、アルコールがないと自分の体はどういう変化をするのか観察してみたんですけど、アルコールは決してマストではないということがわかりました。
安田
これだけ多くの人がノンアルを飲み始めたのって、もしかすると人類が「ちょっとアルコールから距離を置こうか」と思い始めているからなのかもしれないと私は思うんですよね。

久保
あぁ、わかります。誰が言い出したわけではないけれど、正しい方向に向かっている感じですよね。いや〜、こういう感覚って自分だけが感じているんだと思っていました。安田さんも同じような考えだということがわかって、すごく新鮮です!
安田
そうでしたか。それは良かった(笑)。ありがとうございます!

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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