第112回 国のトップが女性ばかりになれば、世界は平和になるのか?

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第112回 国のトップが女性ばかりになれば、世界は平和になるのか?

安田

今ってまだまだ、世界各国の国家元首はほとんど男性ですよね。でも、もしもっと女性の国家元首が増えれば、世界から戦争が減って平和になるんじゃないかと私は思うんです。中辻さんはどう感じますか?


中辻

ずいぶん壮大なお話ですね(笑)。うーん、どうでしょう…国のトップが女性ばかりになったらなったで、陰湿な戦争が起きそうな気もします(笑)。

安田

ほう、そうですか。中辻さんは意識的に女性ばかりを採用されていますし、以前の対談でも女性だけの職場の方がいろいろとスムーズに進むって仰っていましたが、そこは別なんでしょうか?


中辻

自分でいうのも何ですが、ウチみたいに女性ばっかりなのに円満にやれている職場ってあんまりないと思うんです。ウチは全然ですけど、女だらけの環境ってけっこうドロドロですよ〜(笑)。

安田

そうなんですね(笑)。


中辻

男性同士ってわりと正面切って戦うと思うんですよ。一方女性は、すごくまわりくどいことをやることが多い。本人不在の場でその人の悪口で盛り上がったり、遠回しな嫌がらせをしたり。

安田

ふーむ…でも陰湿な方が、全面戦争にならずにすむとも思いませんか? 小さい男の子同士がすぐに喧嘩するのと同じで、男性の国家元首は国のメンツをちょっと潰されたくらいでミサイルを打ち込んだり攻撃を仕掛けたりするじゃないですか。


中辻

それでもやっぱり、女性が国家元首になったからって戦争がなくなるとは思えないですね。女性にも沸点の低い人はたくさんいますし。

安田

そういえば過去にもどこぞの女性国会議員が、自分の秘書に「このハゲ!」なんて言って結局辞職していったこともありましたっけ(笑)。


中辻

そうそう(笑)。たぶん会社でも政治の世界でも、トップに立つような女性ってプライドが極端に高いと思っていて。だから結局は男性元首とそう変わらない気がします。ミサイルをバンバンぶっ放すことはなくても、秘密裏にスパイを送り込んで暗殺計画を企てそうというか(笑)。

安田

なるほど(笑)。じゃあ例えば日本にある会社の半分くらいが女性社長になったとしても、みんなが働きやすくなるとは限らないですか。


中辻

そこはあまり変わらないんじゃないでしょうか。ちょっと話はそれますが、先日、ウチの会社の事務スタッフを1人採用しまして。彼女にはまだ0歳のお子さんがいるんですけど、まともに面接してくれた会社は全然なかったんですって。

安田

へぇ、そうなんですか。それは子どもが小さいからという理由で?


中辻

そうです。面接でお子さんがいることを話すと、「子どもが熱を出したらどうするんですか? 仕事を急に休まれたら困るんですけど」みたいに言われちゃうんですって。

安田

ええ…それはだいぶ感じが悪いですね。


中辻

でしょ? でもそういう会社もまだまだ多いみたいですよ。個人的には、もっと感覚をアップデートさせてほしいなと思いますけど。

安田

ふ〜む。でもむしろ女性社長が増えれば、そういう苦労もわかりあえそうじゃないですか。そうでもないんですかね?


中辻

今現在子育て中という方でもない限り、自分が通ってきた過去のことは忘れちゃうのかもしれませんね。経営者には違いないわけで、仕事の効率にフォーカスするのはある意味当然だとも言えますし。

安田

なるほどなぁ。ちなみに中辻さんは、まだ子どもが小さい人をターゲットに求人をしているんですか?


中辻

いえ、そこをターゲットにしているわけではないです。ただ単に、子どもの有無や子どもの年齢は採用基準に全く関係していないっていうだけで。採用したいと思った人に、たまたま小さいお子さんがいた、という感じです。

安田

そこは完全に能力だけを見て、採用を決めているわけですね。だけど、スタッフのお子さんが病気になった時のサポート体制もしっかり整えていると。


中辻

仰るとおりです。でもそれは極論、女性社長だけができることではないですから。会社として、社会全体の流れとして、どんな人でも働きやすい環境にできるような体制を整えればいいのかなと思っています。

安田

なるほどなるほど。女性のトップがもっと増えれば、世界はどんどん平和になるのかなと思っていましたが、意外とそうでもなさそうだということがよくわかりました(笑)。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

Twitter

1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

Twitter  Facebook

1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

感想・著者への質問はこちらから