第139回 もしも中辻麗が建築会社の社長になったら

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第139回 もしも中辻麗が建築会社の社長になったら

安田

今、建築業界が大変なことになっているのをご存知ですか? 資材は高騰しているし、人材も不足している。さらに今は若者がお金を持っていないので、そもそも家が売れないわけですよ。


中辻

なるほど…厳しい状況ですね。

安田

ええ。そういう状況下で、もし中辻さんが建築会社の社長をやらざるを得なくなったとしたら、どうします?


中辻

めっちゃ喜んでやります(笑)。

安田

おお、そうですか!(笑)


中辻

はい(笑)。厳しい状況だというのはわかっているんですけど、私、何だってやりようはあると思うんです。

安田

なるほど。逆風の中でも、やり方さえ工夫できればうまくやれる、と?


中辻

ええ。例えば魅力的な住宅を作ったり、うまく集客したり、利益を出す手段は必ずあるんじゃないかなと思います。というか、社長になったらそれを見つけなければならない。

安田

なるほどなぁ。確かに今って、1000円以上のスイーツとか数万円するコスメ製品も、うまくバズらせれば爆発的に売れますもんね。


中辻

でしょう? だからもし私が建築会社の社長になったとしても、どんどん挑戦していくと思います。実はこう考えるのには個人的な理由もありまして…。

安田

ほう。それはどんな?


中辻

私、2年くらい前に戸建ての家を建てたんですけど、昔から「お風呂を2つ作りたい」ってのが夢だったんですよ。しかもそのうちの1つは、ヒノキの露天風呂で(笑)。

安田

へぇ、それはすごいなあ! それでそれで?


中辻

笑。大手ハウスメーカーさんとの打ち合わせでそれを伝えたら、「いやいや、ご冗談を」みたいな感じで笑われちゃって。

安田

ああ、それってあれじゃないですか? 自社の標準装備の商品をそのまま買ってほしい、という。


中辻

そうなんですよね。自分たちのプランから大きく逸脱されると、リスクが高くなるからやりたくないっていうのはわかるんです。で、いろんなメーカーさんに相談したんですけど、どこも本気にしてくれない。

安田

は〜、なるほど。せっかくの長年の夢なのに、それは悲しいですね。


中辻

本当に仰るとおりで。でもそんな時に、あるハウスメーカーさんに出会って。西宮にある『モレス』という会社で、「私、ヒノキの露天風呂を作りたいんです」ってダメ元で言ったら、「めちゃくちゃいいじゃないですか!」って即答してくれて。

安田

おお、素晴らしい!


中辻

その反応を見て「ああ、もうここしかない!」と決めまして。結果、引き渡しまですごく幸せな気持ちで対応してもらえました。建築士さんも営業の方も素晴らしかったんですよ。

安田

なるほど。諦めずに探し続けて良かったですね!


中辻

そうなんです。だからその時に「ハウスメーカーって人生にすごく影響力を与える仕事なんやなぁ」と。そういう意味ですごく憧れの仕事というか、いつかやってみたいと思う仕事になったんですよ。

安田

なるほどなぁ。だからこそ、本当に建築会社の社長になったら、状況が厳しかろうが必死で頑張るということなんですね。実際、ちゃんと儲かってる会社もあるわけで。


中辻

仰るとおりです。素敵な家を建てていれば、お客さんも「ここで建てたい」ってついてきてくれると思いますから。だから大手ハウスメーカーに言いたいのは、もっと1人ひとりにきめ細やかな対応をした方がいいんじゃないの? ってことかな(笑)。

安田

ごもっともです(笑)。ただ大手だと、余計なことをしない人の方がトラブルも少なくて、結果的に出世できるんでね。なかなかその体質は変えられないかもしれない(笑)。ともあれ、中辻さんは素敵な会社に出会えて、ヒノキの露天風呂も無事完成したと。


中辻

……あ、実を言うと、やめたんです。

安田

ええ!? あんなにこだわっていたのに?


中辻

はい(笑)。予算というより、手入れがものすごく大変だということがわかっちゃって、これは厳しいぞと(笑)。まあでも、そういう現実をしっかり説明してくれるあたり、やっぱりモレスに頼んでよかったなあと思ってます。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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