第4回 ネガティブに勝つ方法

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第4回 ネガティブに勝つ方法

安田
15歳で妊娠、ママになり、17歳で離婚してシングルマザーに。こんな言い方するのもあれですが、普通ならもう少しネガティブになる気がするんですよ。

中辻
そうかもしれませんね。
安田
でもお話を聞いていても、中辻さんからネガティブなところが見えてこないんですよ。常にやる気に満ちているというか、前向きというか。

中辻
いろんな方からそう言っていただけるんですけど、私自身は自分を特別ポジティブな人間だとは思っていなくて。ひとつあるとすれば、やっぱり「負けず嫌い」なんですよね。
安田
ああ、先日も仰っていましたね。

中辻
そうなんです。例えばヤクルトレディの仕事だと、売上成績がセンター内に張り出されるわけですよ。その1番になりたい、ならなきゃ悔しい、っていうそれだけで頑張ってました。
安田
なるほど。

中辻
印刷工場の頃も同じで、各部署の売上とか、タイムチャージって言って1時間にどれくらいの利益を産み出してるかって数値を見てました。それが会議の議題になるので、負けられないというか。
安田
確かにポジティブというより、負けず嫌いですね。

中辻
そうなんです。もう一つあるとすれば、私って常に周りに応援してくれる人がいるんですよね。ヤクルト時代は研修してくれたマネージャー、印刷工場の時は副社長。今だったら久保さんや安田さん。
安田
私含めて、中辻さんの才能に惹かれたんでしょうね。

中辻
それがありがたくて、そういう方たちの期待に応えたいなと思うんです。私のモチベーションとしてはそれも大きいかな。
安田
なるほど。でも、とは言えですよ。お父さんに暴力を振るわれて、小学校で不良になってしまうくらいの家庭環境です。世の中の大人を信用できなくなっても仕方ないと思うんですけど。

中辻
そうならなかったのは、やっぱり娘がいたからでしょうね。娘を育てなくちゃいけないから、そんなことも言っていられないというか。
安田
うーむ、なるほど。じゃあ、世の中に対する恨みみたいなものはなかった?

中辻
そうですね。まあ、私が汗だくでヤクルト配っている時に、優雅にお茶してるママさんたちを見て「羨ましいなあ」とは思ってましたけど(笑)。
安田
それはそうでしょうね(笑)。もう少し突っ込ませていただきますが、それは中辻さんの元からの性格なんですか?それとも娘さんができたことで変わった?

中辻
それで言うと、娘のおかげで変われたんじゃないかな。娘がいなかったら、安田さんの仰るように世の中を恨んで、もっとネガティブになっていたと思います。
安田
そりゃそうですよね。別に中辻さんが好き好んで不良になったわけでもないのだし。

中辻
確かに、不登校になって非行に走っていた頃も、「そんな風にしたお父さんお母さんが悪いやん」って思ってました。娘がいなかったら今でもそう思ってたかもしれませんね。
安田
実業家・中辻麗も生まれていなかったと。

中辻
そうかもしれせんね(笑)。
安田
僕としては中辻さんが今のように、バリバリ経営をされるようになったのがすごく嬉しいんです。経営者向きの方だなって以前から思っていたので。

中辻
憧れの安田さんにそんな風に言っていただけると。
安田
実際すごい才能ですから。だから、それこそヤクルトみたいに大きな会社ならまだしも、小さい会社だと中辻さんを持て余してしまうかもしれない。これだけ仕事ができて、弁も立つので。

中辻
そうなんですかね。でも実際、今のように1つの会社を丸ごと任せてもらっている方が、性に合っているなとは思います。
安田
そうですよ。あるいはCOO(最高執行責任者)のような形で事業を任せてもらうとか。そういう働き方をしたら間違いなく成果を出せる人だと思います。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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