第41回 中辻麗の結婚観

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第41回 中辻麗の結婚観

安田

これまでに40回にわたって中辻さんと対談してきたわけですが、その中でも、中辻さんが「人生観」や「仕事観」について話してくださる回がわりと人気なんですよ。


中辻

あ、そうなんですか? それは嬉しいです(笑)。そういえば私、対談記事が公開されるといつも自分のXにも投稿するんですが、この前、株式会社万代倉橋社長からリアクションいただきました!

安田

おぉ、あの万代の社長からもチェックされているなんて、やはり中辻さんはすごいですよ!


中辻

いやいや…ありがとうございます(笑)。

安田

それで今回は、中辻さんの人生観をもっと深掘りさせていただくために「結婚観」についてお聞きしようかなと。というのも、最近の若い人たちって結婚することを「損」だと考えることが多いらしいと聞きまして。


中辻

ほぉ。なんでなんですかね、それは?

安田

結婚しちゃったら、せっかく稼いだお金も自分1人で使えなくなるし、時間だって自分の好きなようには過ごせない。だから損だと思うんですって。


中辻

へ〜、そうなんだ。そんな若者が増えているなんて全然知らなかったです。

安田

でも中辻さんも以前、結婚生活に苦労されていたと仰っていましたよね。「子育てもあるのに旦那の面倒まで見てられない、こんなことなら1人のほうがいいわ」って離婚された部分もあるんじゃないかな、と思ったり。


中辻

…そうですね、否定はしません(笑)。

安田

笑。とはいえ一度は再婚もされていて。それはやっぱり「結婚したほうがいい」と思われているからなのかと思うんですが、いかがでしょう?


中辻

そうなんです(笑)ちなみに2回目の結婚は9ヶ月ほどで離婚しています(笑)。

安田

ははぁ、そうだったんですね。中辻さんとはわりと長いお付き合いですが、それは知らなかったです(笑)。


中辻

笑。そんな私から率直に言わせていただくと、損得で考える人には結婚は向いてないんじゃないかなって思いますね。

安田

なるほど。中辻さんは、自分が損するなんて考えずに結婚をしていると。


中辻

ええ。ちょっとこれは子どもっぽいと思われるかもしれませんが(笑)、私の結婚観は「好きで一緒にいたいから結婚する」なんですよ。

安田

へぇ。ということは付き合ったら相手をしっかりチェックして、それから試しに同棲してみて…なんて悠長なことを言ってないで、「ずっと一緒にいたい」と思える相手ならさっさと結婚すればいい、と?


中辻

うーん…同棲して結婚するしない、はちょっとまた別問題というか。というのも私、2回目の相手とは6年付き合ってからの結婚だったんですよね。

安田

え、そうなんですか。じゃあ、一緒に暮らし始めたのもそれからなんですか。


中辻

いえ、付き合って1週間後くらいから同棲してました(笑)。なのでほぼ丸6年一緒に住んでいたんですけど。

安田

ということは、お互いに相手の良い面も悪い面も知り尽くしていたわけですよね。


中辻

仰る通りです。ただぶっちゃけて言うと、この時の離婚の直接的な原因は、相手のお義母様から言われた「契約」が、私の腑に落ちなかったからだったんです(笑)。

安田

あぁ、なるほど…。結婚となると、当人同士だけでなくて、それぞれの家族や親族の問題もありますよね。ちなみにお姑さんの言っていた「契約」って何だったんでしょうか。


中辻

結婚した途端に「ウチの息子と結婚したんだったら、2年以内に子どもを産むって約束して」って言われました(笑)。

安田

えっ?! それは結婚する前に言ってくれって感じですね。というか子どもなんて約束したからできるもんでもないですし。


中辻

そうなんですよ。当時は私もお仕事で重要なことを任せていただけるようになったタイミングでしたし、なによりも私には既に娘がいたわけで。当時の主人とも「この3人でやっていこう」って話をしていたんですけどね。

安田

お姑さんとしては、それは納得いかなかったと。


中辻

そうです。「約束できないなら、渡した結婚祝いを全部返して離婚してちょうだい」って言われました(笑)。

安田

それはすごい(笑)。でもそんな結婚は無理やり続けていくよりさっさと離婚したほうが結果的には良かったかもしれませんね(笑)。


中辻

私もそう思います(笑)。…って、ずいぶん話がずれちゃいましたね、すみません(笑)。

安田

いえいえ、衝撃的なお話をありがとうございます(笑)。でも今のお話にもありましたが、子どもを作る作らないというのも、結婚後に大きく立ちふさがる壁になっている気がしませんか? 今は子ども1人育てるのにものすごくお金もかかりますし。


中辻

そうですよね。教育費もかかりますし。子どもがいれば、自分が稼いだ分をそのまま自分のためだけに使える生活はできません。

安田

ですよね。だから今の若者は、「子どものために生きていかなきゃならない人生は嫌だから子どもは作らない。そうするとわざわざ結婚する必要もないじゃん」となるみたいです。でも中辻さんはそうじゃないですよね。


中辻

仰る通りです。以前からずっとお話してきていますが、子どもって本当にかけがえのない存在になるんですよ。それを実感する前に「産まなくていいか」と決めつけてしまうのはすごくもったいない!

安田

なるほどなぁ。


中辻

でも私自身、自分が出産するまでは子どもって苦手だったんですよ。すぐ泣くし、言うこと全然聞いてくれないし(笑)。でもいざ自分の子どもが産まれたら「この子のためにも自分はしっかりせな」って思ってここまで生きてこられたところもあるんです。だからこそ、男女問わず、一度でいいから自分の子どもと対面して「愛おしい」という感情を感じてほしいですね。

安田

私も前の奥さんとの間に3人の子どもがいたので、再婚後は子どもはいらないかなと思っていたんです。ただ今の奥さんは初婚だったし、ずっと子どもがほしいと言っていたのでね。


中辻

実際、お子さんが産まれてみて、どうですか?

安田

もう、なんでこんなに可愛いんだろうと。こんなに素敵な経験があるのかと。もう子どもはいらないかな〜なんて言っていた自分が愚かに思えました(笑)。


中辻
笑。ウチは今、娘が18歳なので、また出産してイチから子育てするのは…と思う反面、もしそういう機会に恵まれたら絶対に「産んで良かった」と思うと確信してます(笑)。
安田

ということはつまり、中辻さんは結婚がどうのこうのというよりもまず、子どもを絶対作ったほうがいいよ、という主張なんですね(笑)。


中辻
そうかもしれない(笑)。あ、でも、結婚って他人と生活をともにしなくてはいけないし、相手のために時間を費やすことも多いけど、「本当に大切な人」とであれば、それはたぶん苦にならないんですよ。
安田
ほぉ、なるほど。結婚するのは損だ、って言っている人たちは、まだそういう存在を見つけられていないだけなんじゃないか。そういうことですか?

中辻

そうですそうです。だから今の若い人たちにも、そういう素敵な相手と巡り合って、かけがえのない存在の人と一緒の時間軸で生きていくことの楽しさや幸福感を、ぜひ味わってもらいたいなって思います!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

Twitter

1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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