「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第80回 社員が独立してガチガチの競合になったら?

経営者をしていると、社員が独立することもあるじゃないですか。でもその人や会社がガチガチの競合になった場合、西崎さんはどう対応します? 潰しにかかるのか、放置するのか、そもそも全く気にならないのか。

西崎さん側はそう思っていても、トゥモローゲートさんのコンセプトを丸パクリされるかもしれませんよ? そうなったらさすがに対応はするでしょう?

それでいうと、僕が以前いた企業は、競合他社や、それこそ独立して同じような事業を始めた人には厳しかったですね。「一社でも顧客を奪ってこい」というような怖い世界でした(笑)。でも僕はそれを見てあんまりピンと来なかったというか。顧客を奪うんじゃなく、顧客が自然にこっちに頼んでくれるような会社になるべきだなと。

やっぱり本人も「まずいな」と思うんでしょうね。僕自身も独立するときは「同じことは絶対にやりたくない」と思っていたので、採用の施策に特化して独自の領域に進んだんです。結果的に前の会社との関係も良好なままで、何なら発注ももらえてました。

なるほどなるほど。それが一番いいですよね。実際前職とまったく同じ仕事をやってる人って、あまり大きくはなれないですし。ちなみに先ほど競業避止義務の話が出ましたけど、どのあたりまでを同業と定義しているんですか?

そこまで細かくは決めてないんですけどね。あくまで「同業での独立はやめてね」というざっくりとしたルールだけです。かといってルールとして示しておかないと、何人も社員を引き連れて同業で独立、みたいなことが起こりかねないので。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数20万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。