第87回 社長の「見た目」は業績に影響すると思いますか?

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第87回 社長の「見た目」は業績に影響すると思いますか?

安田

最近は社長の発信やブランディングがとても大事になっていますよね。でね、私の知り合いが「社長の見た目をコーディネートする」サービスをやっているんですが、とても好評なんです。


西崎

へ~、いいですね。確かにすごくニーズがありそう。あれ、でも安田さんも昔そういうサービスやってませんでした?

安田

ええ、そうなんです。企業の採用力を上げるために、社長の髪型やスーツを整える取り組みをしていました。当時はだいぶ叩かれましたけど(笑)。


西崎

ちょっと先取りしすぎだったんですね(笑)。そしてやっと時代が追いついたと。

安田

そうそう(笑)。今は本当に、それこそ社長のパッと見の印象で、採用力や集客力がガラッと変わる時代ですから。このあたり西崎さんはどうお考えですか。


西崎

「社長の見た目」、ものすごく大事だと思いますよ。もっとも必ずしも全員がパリッとしている必要はないというか、事業内容やビジョンに合わせたスタイルを見つけることが重要というか。

安田

ああ、なるほど。確かにバリバリ現場系の会社をやっている人が、超高級スーツを着て営業していたら違和感ありますもんね(笑)。


西崎

笑。編集者の箕輪厚介さんも、ずっとサンダルに半袖半ズボンというスタイルです。ビジネスマナーとしてはNGだと感じる人もいるでしょうけど、むしろあのスタイルだから仕事が集まってきているわけで。

安田

単に高い服を着ればいいという話ではないと。清潔感なのか、クリエイティブさなのか、知的なイメージなのか。何を出したいのかを考えてキャラクター作りをしていくわけですね。


西崎

そうそう。そういう工程を、その方のようなプロのスタイリストが手伝ってくれるのはすごくいいですよね。一緒に服や髪型を選んでくれるわけでしょう?

安田

そうなんです。その社長がどういう商売をしているのか、どんなイメージが大事なのか、しっかりヒアリングして髪型を提案し、その後洋服を買いに行って、最後は宣材写真まで撮ってくれる──そういうサービスで。


西崎

いいですね~。そりゃ人気になるはずです。

安田

西崎さんご自身はどうです? 見た目にはかなり気を使われている印象ですけど。


西崎

うーん、まぁなるべくシンプルにしようとは思ってますね。高級なものはほとんど持ってなくて、ほとんどユニクロですけれど。あ、でも講演や取材のときは黒を着るようにしています。それがキャラクター作りと言えば言えるのかも。

安田

は~、なるほど。ちなみに「社長は月にいくら自分の服装や見た目に投資すべき?」と聞かれたら、なんて答えますか。


西崎

どうでしょうね。僕自身でいうと、洋服やコスメ関係で月1万円から15000円くらいのものですよ。アクセサリーやカバンは長く使うのであまり買いませんし、高級ジーンズみたいなものにも興味がないし。

安田

へ~、ちょっと意外かもしれません。その金額でそれだけ清潔感を出せるのは、やっぱりセンスがいいんでしょうね。


西崎

いやいや、普通ですけどね(笑)。大事なのは「何を買うか」より「何を選ぶか」だと思います。例えばサイズが合っているかどうかだけで印象は大きく変わりますから。

安田

ユニクロだけでコーディネートしても清潔感が出る人もいれば、ハイブランドで固めても全然オシャレに見えない人もいますもんね。


西崎

そうなんです。だから「見た目」ってやっぱりすごく大事で。僕もサービスとしてやっているわけではないですが、クライアントの社長に「見た目を整えましょう」とアドバイスはします。ヨレヨレのシャツやサイズの合わないスーツを着て人前に出たら、マイナスイメージでしかないので。

安田

髪型についても同じですか?「なぜその髪型?」という人もいますよね。


西崎

そういう場合もアドバイスはします。ただ、トゥモローゲートに依頼してくるお客さんは意識の高い人が多いので、あまりくたびれた印象の人はいないんですけど。

安田

ああ、なるほどなるほど。つまりトゥモローゲートさんのお客さんはカッコいい社長が多いと。かっこいい社長のもとにはカッコいい人が集まるんですね。さすがです。


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数20万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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