「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第97回 今の時代の社長がスーパーカーに乗らない理由

我々の世代って、とにかく「会社を大きくする」「売上を伸ばす」。5億じゃなく10億、30億、50億、100億。社員数も30人じゃなく100人、200人、500人と。そういうわかりやすい“名誉欲”とか“物欲”に動かされてる人が多かったんですよ。お金を稼いだら銀座とか新地のクラブに行って豪遊する、みたいな(笑)。

でも、西崎さんを見ていると、そういう拡大欲とか物欲、名誉欲にあまり興味がなさそうに感じるんです。実際どうなんでしょう? 同世代の経営者、特に創業社長に限って言うと、どういうタイプが多いですか?

う~ん、こういう言い方もあれですけど、そういうのがカッコいいとは思わないんですよね。あ、自分が本当にフェラーリが好きで乗っているならカッコいいと思いますよ。でも「強さを誇示するために」みたいなのは、ちょっと違うなと。

うん、そうですね。でも、「ただ自慢したいから」「女の子にモテたいから」「シャンパンを開けたいから」みたいなタイプは、僕らの世代ではかなり減ってる気がしますね。もちろんゼロではないんでしょうけど。

ないですね〜。お金を稼ぎたい欲はありましたけど、「ちやほやされたい欲」はなかったです。どちらかというと「選択に困らないようにしたかった」感じですかね。「これ食べたいけどお金がないから我慢しなきゃ」みたいなのは嫌だったんで、一定の収入はほしいと思ってました。

いや、性格じゃないですかね。僕は「人と被らないこと」が好きなんで。周りの経営者たちも、「儲けたい」とかより「社会をこう変えたい」「こんな世界を実現したい」みたいなモチベーションの方が強いんじゃないでしょうか。

は~、そうなんですね。私の世代では、ビジョンや理念を掲げて会社を作る人なんて皆無でしたよ。「いくら稼いでる?」「いくら給料取ってる?」「どこで飲んでる?」みたいな話ばっかり。時代が変わりましたね(笑)。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数20万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















