其の佰九 神話ってなに?

イノベーションカードが知らせる
本日の斬り口:捨てられないものは? 
ーーーー

拙者が、世を忍ぶ
仮の姿で、
経営勉強会に
参加したことがあった。

その勉強会に
講師として
呼ばれた先生がいた。

この先生は、
マーケティングについて
お話くださったのだが、
それについては、
拙者のクルミ大脳内の
奥底に沈み、
浮上してこない。

がっ、

この先生の
懇親会での話が
印象深く
思い出される。

先生は自分自身を

ギリシア神話に
登場する

プロメテウス

に似ている。
と言い、
話し始めた。

ーーーー

わたしはね、
プロメテウスに
非常に似ているものを
感じるんですよ。

彼は、ゼウスが

人に火を与えるな

と火を神々の世界から
持ち出すことを
禁止していたにも関わらず、

火があれば
寒さも凌げるし
料理もできるだろう

と人を哀れみ
火を盗み、
人に与えたんです。

人は、彼から
火を与えられたことで
寒さも凌げ、
調理もしたが、
戦争も始めたんです。

人が争い合う様子に
怒ったゼウスが

火を人に与えた
プロメテウスに
罰を与えたんです。

巨大な岩を、かついで
素足で山を登って
その頂きに据える。

でもその巨大な岩は
据えたと思ったのに
また、はるか下の
麓にあるんです。

彼は、それをまた
頂きまで運ぶ。
終わることがない
罰を与えられた。

罰せられても
人を助けたいと思い、
火を与えられた。
その思いだけが、
彼を支えているんです。

わたしもですね、
彼のように、
人の役立つ知恵を
与えつつ、

本当にこの知恵を
与えてよかったのか
と自分を罰し続けて
いるのですよ。

ーーーー
って話した。
先生の話を
聞いていた多くの
経営者は

先生は謙虚すぎる
その姿勢、学ばせてもらいます
この話は一生ものですね

など異口同音に
先生を称えていた。

がっ。

拙者は、この
一人劇場を
聴いていて
すごーーーく
気になることがあり、
唇がブルブル
震えでござる。

先生が話した
この神話は
2つのことが
混ざっている
のでござる。

プロメテウスが
受けた罰とは、

肝臓を生きながら
食われる

というものだ。

彼は不死身なので
食われた肝臓は
再生される。
そしてまた食われる。

と3万年間、
この苦しみを
味わうことになる。

先生が、話した
大岩の方は、

シーシュポスの岩

という神話で、
シーシュポスは
人間でありながら、
2度にわたって
神を欺いたために
大岩を担ぐ
罰を与えられる。

とまったく
違う話が、
くっついて

先生の神話

になっている。

ーーーー
ちょ、先生
プロメテウスは
肝臓でしょー。

と言いたい気持ちを
ぐっと押さえ、
その場を観察した。

このメタファーを
知った経営者たちの
表情を観察した。

俺にとって
その大岩は
経営者としての
自分ですね。

とか、

背負ったものが
おろせた!と思っても
次がある。って
すごくわかります。
先生、教えてくれて
ありがとうございます!

と巨大な岩の
メタファーを
独自解釈して
楽しんでいる。

ーーーー
ってことで
神話とは、過去から脈々と伝えられる寓話ではない。

神話とは

いまを生きる人たちがそれぞれ紡いでいる

でござる。

拙者、日本の神様の七転八倒が可愛らしいでござるよ。

 

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パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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