// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 // |
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。 |
《第六回》「商売が難しい街」
初めてバーを開業した時、カウンターのお客さんにこんな事を言われました。
「この街で飲食店をやるのは難しいよ。」
この街でどれだけ飲食店が廃業してきたか。
この街が他の街と比べてどこが特殊なのか。
私が初めて出店した街で飲食店を経営する事の難しさを色々と教えてくれました。
この街で飲食店がたくさん廃業したという結果の原因は、「この街が特殊で、商売が難しいから」という訳です。
では、そんな街に出店してしまったらどうなってしまうのか?
商売が楽な街は一体どこにあるのか?
不思議な体験
「この街で飲食店をやるのは難しい。」
そう聞いた時、私はとても怖くなりました。
初めての出店なのに、商売が難しいエリアを選んでしまったのかも知れない。
この街で商売を軌道に乗せるためには、何か特別な方法が必要なのかも知れない。
そんな風に考えたのです。
ただ、毎日営業を続けていくうちに、そんな言葉も忘れ、初めての開業から1年後、別の街に2店舗目を出店しました。すると、そこで私は不思議な体験をしました。
「この街で飲食店をやるのは難しいよ。」と、お客さんに言われたのです。
この街も商売が難しいのだろうか?
だとしたら、私は立て続けに商売が難しい街に出店してしまった事になります。
ただ、1店舗目も商売が難しいと言われた街で営業を続けてこられた自負もあり、お客さんの助言は聞きつつも、あまり気にしすぎないように心がけ、営業を続けました。
その後、3店舗目、4店舗目、5店舗目と出店していく中でも不思議な体験は続き、出店する度に「この街は難しい」とお客さんに言われ続けたのです。
これだけ同じセリフを聞くに及んで、私はようやく気が付きました。
私の出店した街が特別に商売が難しい訳ではないという事。
そして、「商売が難しくない街」なんてどこにもないという事に。
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