日曜日には、ネーミングを掘る ♯084 私的鎌倉食本

今週は!

鎌倉という街に、それなりに長く住んでいることもあって、友人や知り合いから「今度鎌倉に遊びに行くんだけど、美味しいお店を教えてください」と聞かれることが時々あります。そうだねぇ。鎌倉の場合、大体和食かイタリアンになるんだけどどっちが好き?とお尋ねして、こっちという方を何店かお伝えします。たとえば、和食(専門店は除く)の場合、候補リストはこのようなものになります。

「いさむ」さん
「しげじ」さん
「奈可川(なかがわ)」さん
「よしろう」さん
「企久太(きくた)」さん
以上、小町通り及びその付近

「畦家(あぜや)」さん
駅西口

「はま善」さん
由比ガ浜通り

こうやって改めて書き出してみると、すべてのお店が兄弟までとはいかなくとも、まるでいとこ同士の関係のように見えてきます。共通しているのは、以下の2点です。

・開店してから10年以上続いていること。

・家族経営であること。

鎌倉は観光地なので、週末の観光客を目当てに洒落たお店やコンセプチャルなお店を出す人たちはたくさんいます。でも、それだと雑誌などに取り上げられて一時はもてはやされても長続きしません。経営の肝となる平日の売上をある程度維持するには、どうしたって地元の人たちに愛され、いろんな意味で磨かれることが必要になるのです。それには少なくとも5年、さらにほんとの意味で“街のもの”となるに10年はかかると。というのが、私の観察してきたところです。で、その期間を耐えるには、やっぱり固定費を抑えられる家族経営でないと難しいというわけですね。しかしながら、そういう切り口で、鎌倉の美味しいお店を教えてくれるガイドブックやら雑誌の特集にはこれまでお目にかかったことがありません。

そんなわけで、行楽の秋を控え、今週は、もし私が鎌倉の美味しいお店を案内するガイドブック(もしくは雑誌の特集ページ)をつくったら、こんな感じになるかな、というネーミングと表紙の案を考えてみました。

ちなみに表紙は、小町通りの『奈可川』さんです。どうでしょう、ちょっと立ち寄って一杯やってみたくなりません?ちなみに、鎌倉以外の街でシリーズ化もできます。

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