第293回 株価暴落と確定拠出年金について

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第293回「株価暴落と確定拠出年金について」


安田

株が大暴落しました。ブラックマンデーを超えたと言われてまして。

久野

そうですね。

安田

私もそうですけど、今は個人投資でお金増やしていく人が多いじゃないですか。すごい動揺が広がっていまして。

久野

個人投資は長期視点でやるべきなのであまり一喜一憂しない方がいいと思います。

安田

ですよね。でもにわか投資を始めた人は動揺しちゃいますよ。投資に慣れてる人だったら「今が買いどき」ぐらいにしか思わないでしょうけど。

久野

僕も個人投資してますけど長期でしか考えないです。なので「下がる時もあるよね」っていうぐらいの感覚。

安田

ぜんぜん動揺していませんね(笑)

久野

なんとも思ってないですね(笑)短期で見てもしょうがないので。

安田

基本的に世界経済って長期的に見れば右肩上がりで、短期で見るとたまに落ちる時がありますよね。

久野

そうですね。だからこれは想定内というか。あるだろうと思いながらやってなきゃいけない。けど日々デイトレードしてる人とか信用取引やってる人やばいですよ。やっぱり。

安田

そんな人って一般人でもいるんですか?

久野

手を出していないことを祈るしかないですね。急に信用取引始めちゃったとか。そういう初心者は本当にやばいと思います。

安田

それはもう自己責任というか。だってギャンブルみたいなもんじゃないですか。短期投資って。

久野

そうそう。基本的に個人投資は長期分散型で。逆に安くなった時にちょこっと買えるぐらいのメンタリティじゃないと。

安田

そうですよね。私は久野さんに教えていただいて2020年7月から個人投資を始めたんですけど。ちょうどコロナの真っ最中で。

久野

株価が低迷していた時ですよね。

安田

はい。始めてからもずっと株価が下がり続けていて。でも後から振り返ってみると、その時にやった投資がすごく費用対効果が良くて。

久野

ドルコスト平均法って言いますけど、毎月同じ日に定期的に1万円なら1万円分買っていくやり方がオススメです。長期分散投資が勝ち筋だって言われてます。

安田

個人がやるなら絶対にそれがいいですよ。

久野

その原理原則を知ってる人は心がグラグラする必要はないと思いますし、そもそも心が揺れるような投資はしちゃダメなんですよ。仕事にも影響を及ぼすし。

安田

今回は長期分散投資してる人でも心が揺れちゃってる気がするんですけど。全部解約してNISAやめちゃいましたみたいな人が出てきたり。

久野

それはおすすめできないですね。短期投資と同じになってしまうので。

安田

そうですよね。長期投資すると決めたら株価は見ないほうがいいのかも。30年経ったら見るとか。それぐらいの気持ちで。

久野

株価下がってる時は絶対見ない方がいいですよ。気にしない方がいい。私もログインするのやめましたもん。いい時は毎日のようにログインしてましたけど(笑)

安田

久野さんといえども見ちゃうと心が揺れる?

久野

そりゃあ上がってる時のほうが嬉しいですよ(笑)

安田

そりゃそうだ(笑)

久野

そもそも短期投資と長期投資の情報がごちゃ混ぜになっていて。株価が下がった時に損したと思ってる人多いんですけど、まだ損してないじゃないですか。

安田

確かに。そこで売ったら損するという話ですもんね。

久野

そうなんですよ。将来的に上がった時に売ればいいだけの話で。

安田

安い時に買って高い時に売るのがいちばん儲かるわけで。下がった時は大チャンスだなって思う人じゃないと投資には向いてないんでしょうね。

久野

そうですね。ただ日本人はあまり金融リテラシーが高くないので。落ちた時には買わないんですよ。そもそも暴落した時にお金を持ってないんです。普段の投資をしてる人って。

安田

なるほど。

久野

だから個人投資家は毎月定額を買うのが一番いいんです。

安田

変に儲けようとせず毎月コツコツ買い続けると。株価なんて見ないで銀行預金のように地道にやっていく。

久野

それが1番いいですよ。心も穏やかになるし。10年に1回ぐらいしか見ない。

安田

そういう意味では確定拠出って本当によくできてますね。途中で売れないので。

久野

じつは確定拠出って下ろせないけど売ることはできるんです。

安田

え?売ることできるんですか!

久野

貯金に変えることが出来ちゃう。この暴落前に貯金に変えてたらもう猛者ですよ。天才だと思います。でも実際は逆の人が多いんです。下がったから貯金に変えるっていう。

安田

それは一番やっちゃいけないことじゃないですか。

久野

そうなんですよ。だから確定拠出年金はもう触れないものだと思って、地道にコツコツと毎月定額をやっていった方がいい。

安田

よく分かりました。

この対談の他の記事を見る



久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

感想・著者への質問はこちらから