この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
プルデンシャル生命で何十億という不正があったみたいです。
久野
会社主導でやったわけではないと思いますけど、イメージ悪化は避けられないでしょうね。
安田
生保の仕組み自体に問題があるとも言われていまして。個人の信用で大きな契約を結ばせるじゃないですか。
久野
そうですね。商品自体はみんな同じものを扱っているわけで。
安田
個人の信頼で成り立っている上に完全歩合制なので売り続けなくてはいけない。社員のような保証もないし。
久野
そういうことも関係しているかもしれません。実際にプルデンシャル以外の生保でもいろんな不正が起こってますから。
安田
プルデンシャルはしばらく営業停止になるみたいですね。
久野
安田
そうですね。90日間営業活動を自粛すると。これ停止している間は新規の契約が取れないですけど完全歩合制の営業マンはどうするんでしょう。
久野
安田
久野
そういう人も出てくるでしょうね。保証問題もあるでしょうし。
安田
私の勝手なイメージですが、プルデンシャルって外資だしコンプライアンスはすごくしっかりしていると思ってました。
久野
大金が絡む取引に人が関わると必ずこういう問題が出てきます。都市銀行でも職員が不正していたニュースがあったじゃないですか。
安田
ありましたね。人間の限界というか、もう完全にAIに任せてしまった方がいいのかもしれません。
久野
実際、生保の営業はもう人間よりAIのほうが売れるみたいです。
安田
私も聞いたことがあります。人生の悩みや病気の相談は、知らない人を相手に本音を語りにくいみたいです。AI相手なら何でも話せるので。
久野
「保険をいつ解約したらいいか」とかも相談に乗ってくれるんですよ。人間の営業相手だと聞きにくいじゃないですか。
安田
確かに。人間に相談したら「解約しないで」って言われそう。
久野
安田
人間の営業マンには歩合もたくさん払わなくちゃいけないし。不祥事をきっかけに人間を減らしていくかも。
久野
保険会社がやるより先に「保険を全部まとめて請け負うテック」みたいなものが出てくると思います。そこに全部もって行かれるかも。
安田
株もオンラインで買えるようになって手数料が安くなったじゃないですか。
久野
その影響でSBI証券は野村証券の売上を超えました。
安田
久野
安田
生保もどんどんそうなっていくんでしょうね。人間がやるとコスパが悪くなるし。不祥事リスクもあるじゃないですか。
久野
保険みたいに手数料がいびつなビジネスはAIに取って代わられるでしょうね。
安田
提案力に関してはどうなんでしょう?人間とAIを比べて。
久野
そこもAIに分があると言われています。人間ってベターな提案はできるけどベストな提案にはならないので。
安田
なぜベストな提案ができないんですか。おすすめ商品を売らないとインセンティブが稼げないから?
久野
そういうのもあるでしょうし、どうしてもバーター的な取引が出てくるじゃないですか。「これも買ってください」みたいな。
安田
久野
僕もいくつか入りましたよ。だからトータルするとベターになってしまう。
安田
久野
なります。ならざるを得ない。そうしないと、その人は稼いでいけないから。
安田
久野
だから完全にコスパを優先する人はAI窓口に行くんじゃないですか。
安田
久野
そもそも営業マン自身がAIを使って答えてますし。オンラインだと顧客の側もAI に確かめたりするんです。
安田
営業マンと話してるつもりだけど実はAIとやり取りしてるっていう。
久野
そうなんですよ。話す側もAIだし、それを聞いて判断するのもAI。
安田
久野
顧客がAIをサポーターとして付けてくると、人間の営業マンじゃもう対応しきれなくなります。情報の量が全然違うので。
安田
保険のセールスで食べている人はどうしたらいいんでしょう。
久野
大変だと思いますよ。でも無くなるのは保険の営業マンだけではないので。他にも無くなる仕事がいっぱいありますから。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。