このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
第7回「日本では歴史の古いビジネスモデルなんですが…。◯◯で海外メディアにも取材される。」
「レンタル」というと、皆さんは何を思い出されますか?
CDやDVD、自動車、自転車、最近では、家具や家電、洋服、貴金属、おもちゃなどもレンタルができるみたいです(レンタルというより「サブスクリプション」なのでは?と思うこともあるのですが…)。
「レンタル」のビジネスというのは、世界的に見るとグラハム・ベルが電話機を発明し、その電話機を有料で貸し出したのが始まりとされているみたいですが、日本ではもっと昔の江戸時代、足軽たちのあいだでふんどしは「貸しふんどし屋」から借りるのが普通だったそうですし、明治時代の横浜ではレンタサイクルが盛んだったようです。
レンタルというのは日本人の気質の合っているビジネスなのかもしれませんね。
「おっさん」をレンタルしますか?
「えっ?」と思われた方もいるでしょう。
いまから8年ほど前からスタートし、一部の人たちに絶大な人気があるビジネス。
それが「おっさんレンタル」です。
「おっさん」1人のレンタル費は、1時間1,000円。
サイトで「おっさん」を選ぶ ⇒ レンタル時間を指定 ⇒ カートに入れるだけ!
これで「おっさん」を仮確保します。あとは「おっさん」が指定場所までやってくるという、お手軽なレンタルサービスです。
「おっさん」をレンタルする人は、老若男女さまざまだとか。
なぜ、「おっさん」をレンタルするのでしょうか?
レンタルの中身を見ると、仕事や恋愛・婚活相談、女子会参加依頼、結婚生活のアドバイス、他人には言えないディーブな相談、あるいは、お父さんとの思い出の場所に一緒に行ってほしいと言った依頼もあるそうです。
まったく関係のない他人だから言える悩みがある、と言ったところでしょうか。
依頼を受ける「おっさん」たちの経歴もさまざま。息抜きの時間や人生のヒントをくれる「おっさん」を揃えているらしいです。
小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?
そもそもレンタルというのは、毎日は必要ではないけれど、一時的に必要とか、あまりにも高価すぎて手を出しにくいものを安価で利用できるとか、「物」だったように思われます。
「人」自体をレンタルするというのは考えつくと思います。
ある意味で言えば、派遣社員というのは人をレンタルしているビジネスだと言えます。
企業は「人」を派遣してもらい仕事してもらうわけですから。(仕事限定ではありますが…)。
「人」をさらに限定して「おっさん」
世の中には、その「おっさん」に興味をそそられる人たちが、たくさんいると言うことです。
また、「おっさんレンタル」を始めた理由にもヒントがあるかもしれません。
“若い人と、おっさんとを繋ぐコミニュケーションツールとして始めました!
極端な話ですが、定年したおっさんが、日々、暇していて、若い人に今までの経験、スキルでアドバイスして、自らも新たに輝き、互いに友情が深まる。
こんな愛に満ちたストーリーを生み出したく始めました^ – ^
おっさんレンタルは、日本が抱える高齢化社会問題の解決、社会貢献であると考えています!“
※「おっさんレンタル」HPより抜粋
おっさんを1時間1,000円でレンタルしているだけなのに、社会貢献として位置づけています。一部の人からはふざけているのか!とお叱りを受けるかもしれません。しかし、おっさんレンタルを運営している代表は、真剣に、考えているのです。それが一部の、特別な人に受け入れられているのかもしれません。
相談やカウンセリングも将来は、AIやロボットができる時代が来るかもしれませんが、やはり、人の力、シニア層の力は、すごいのかもしれませんね。
佐藤洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役
大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。