このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
「超カッコいい!ありそうでなかった小さなブルーオーシャン」
2022年10月。
限定1,000台の「ストーブ」が販売され、あっという間に売り切れました。ストーブの平均価格は2万円台。ところがこのストーブの価格は57,180円。なんでこんなにも売れたのでしょうか?
300台の「真っ黒なストーブ」がそっくりだと…
販売したの株式会社コロナ。
暖房機器、空調・家電機器、住宅設備機器の製造・販売をしている、あのコロナ社です。2019年10月に300台限定で黒色のストーブを発売しました。この真っ黒のストーブ「SL機関車に似ている」との声が。そこで鉄道好きの社員の発案したのが、新潟県・新津駅から福島県・会津若松駅を走るSL列車「SLばんえつ物語」をモチーフにデザインされた石油ストーブ「SL型」。
列車と同じ”C57 180”のナンバープレートや煙室扉ハンドル、ヘッドマークなど、列車の”顔”と呼ばれる部分を忠実に再現されていました。さらに、収納に便利な付属の専用バッグや「SLばんえつ物語」のイラストを施した黒い外装箱なども、鉄道好きにはたまらない一品。あっという間に完売となりました。
そして、同社の鉄道好きの社員が世に送り出した第2弾の商品が、惜しまれながらも2021年秋に定期運行を終了した上越新幹線E4系「Maxとき」をモデルにした衣類乾燥除湿機を、2023年販売し始めました。
これまた、鉄道好きにはたまらない一品。製品の背面には1台1台に座席表示をモチーフにしたシリアルナンバーが貼られ、除湿機の運転開始時には上越新幹線のJR新潟駅の発車ベルが流れ、運転停止時には車内チャイムが流れると言います。
さらに座席数と同じ数の1,634台限定販売。価格自体6万円を超えるのですが、順調に売れたとのこと。
この商品を知った時、あっ、売れるだろうなと思ったらすぐに完売していました。おそらく鉄道好きからすれば、価格が高いとか安いとかではなく、「これ、欲しい!」という欲求に突き動かされたんだと思います。
価格や機能も大事ですが、こうした遊び心から生まれる商品というのは、ある層には売れるんだと思います。必要かどうかではなく、誰に刺さるのかを考えることが大事なのかもしれませんね。
──────────────────────
株式会社コロナ
本社:新潟県三条市
URL https://www.corona.co.jp/index.html
──────────────────────