第120回「史上初を生んだ国産ブルーチーズは小さなブルーオーシャンが計算されていた!」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「史上初を生んだ国産ブルーチーズは小さなブルーオーシャンが計算されていた!」


「たった一人の手で生み出された国産ブルーチーズ」

北海道「旭川」駅より
車で30分ほどのところにある
江丹別町(えたんべつちょう)。

ここに一つの牧場があります。

伊勢ファーム

乳牛を20頭ほど飼っている
小さな牧場です。

この牧場から、
史上初めてANAとJAL両社の
国際線ファーストクラスメニューに
採用されたブルーチーズがあります。

※通常、複数の航空会社が同じ商品を
ファーストクラスメニューに選ぶことは
ほぼないそうです。

「江丹別の青いチーズ」

もちろん味が良いために
採用されたんだと思いますが、
味が良いというだけであれば、
他にもありそうです。

では、どんなところが
小さなブルーオーシャンなのか?
調べてみました。


PDPhotosによるPixabayからの画像

このブルーチーズを生み出したのは伊勢昇平氏。
子どもの頃から「世界一の仕事がしたい」と
思っていたそうです。
そこから、ご実家である牧場の牛乳を使って
世界一のチーズを作ろうと決意。

世界一を生み出すためにはどうすればいいか?

考えた伊勢氏がたどり着いた答えが、
江丹別町の気候に一番合うものを作れば
世界一のチーズができると考えました。

ヨーロッパにおいて寒暖差があり
内陸性の気候の場所は食べ物が美味しいといわれ、
ハムやワインづくりが盛んです。
江丹別町もまた、内陸性の気候。

そこに着目した伊勢氏は、
江丹別町とヨーロッパで気候が
一番近いところを探した結果、
フランスのオーヴェルニュ
という地方にたどり着きます。
そのオーヴェルニュの特産品が
ブルーチーズ。

ここで、伊勢氏は
「ブルーチーズ一本で勝負しよう!」
と決めたそうです。

ちなみに穀物をほとんど使用せず
草中心の飼料で育てた牛から搾った牛乳は
どこにも出荷せず、敷地内にある店舗で
ソフトクリームとして販売するほか、
このブルーチーズづくりにしか
使われていないそう。

この「江丹別の青いチーズ」は
噂が噂を呼び、いまではなかなか
手に入らなくなりました。
見かけたら即買いの品物らしいです。
(わたしが北海道に住んでいたころは
まだあったんですよね…。
買っておけばよかったと後悔。)

一つの商品を磨きに磨いて
とんがっていった商品だからこその
小さなブルーオーシャンなのでは
ないでしょうか?

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伊勢ファーム
住所 北海道旭川市江丹別町拓北214
URL https://shop.asahikawa.style/bluecheese
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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