「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第119回 「接触頻度」が常連客の離脱率を下げるカギ

ええ。前提として、積極頻度が高いお客さんほど離脱しづらいという事実があります。例えば4カ月に1回来店されるお客様とは、年間で3回しか会えませんよね? 一方、毎月来店される方とは、年間の接触頻度が12回ある。この場合、後者の方が離脱率は圧倒的に低くなるわけです。

そうそう。お客様にとって「美容室に通うこと=毎月のルーティン」にしていただくことが大事だと思うんです。月に1回その美容室に行くことが当たり前になれば、そもそも「他の美容室を探してみようかな」とか「他の店の方が安いかも…」なんて思考にもならないわけで。

大きいですよね。そういえば6月からチケット料金を少し値上げしたんですが、常連さんにはそのことを事前に告知していたんですね。そうしたら皆さん「あら、じゃあ値上げ前にいっぱい買っておこうかしら」となりまして(笑)。

ははぁ…すごいなぁ(笑)。やっぱり岩上さんはビジネスがものすごく上手ですね。もっとも、そうやってまとめてチケットを買ってくれるってことは、かなり先まで自分は岩上さんのところに通うんだっていう確信があるわけですよね。

そういうことです。つまり美容師は、ただ注文された施術を提供していればいいわけじゃなく、お客様1人ひとりの暮らしや来店動機といったことをしっかり考えながら、あれこれ工夫してやらないといけないってことです。年齢や状況によってお客様の暮らしは変わるし、それに併せてニーズも変化していくわけですから。

確かにそうですよね。でもそうすると例えば「ウチはカラーが得意です」とか「このカットが得意です」など、ある程度サービスが固まっているようなお店は、お客さんの好みが変わってしまった時点で客離れしてしまうということになりますか。

そこがまさに「特化型美容室」の弱点だと言えますよね。でもちょっと考えて欲しいんですけど、鰻屋さんには「鰻を食べたい」と思っている人が行くのであって、そこで「今日はトンカツを出してください」なんて言わないじゃないですか(笑)。

ですよね(笑)。そういう意味でも、特化型は好みの変化に対応しづらいし、お客様側もそれを求めていない。逆に言えば、特化型でない美容室は、お客様の年齢や状況に応じて提案内容を変えていけるのが強みなわけです。

「興味を持ってもらえるものがある」っていうのは大事だと思います。例えばウチはアイスクリームも扱っているんですけど…。

え、『マハロコ』さんってアイスも売ってるんですか?!(笑)

ええ、実は(笑)。で、毎月、定番商品の他に期間限定商品も置くようにしていて。そうすると毎月髪を切りに来店されるお客様が、毎月期間限定のアイスも買っていく、という(笑)。それを見ると、やっぱり皆さん、新しいものは常に求めているんだなというのは実感しますね。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

















