強みとバランスの組み合わせ
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気になる雰囲気。時代は変わる。


そうです。そこを整理しないまま開業しちゃう人が多いので。

自分の強み=商品みたいなイメージですか?

基本的にはそうなんですけど。飲食店は「お店の強み=自分自身の強み」ではない場合もあります。

そうなんですか。

たとえば僕のお店でいうと、友だちと一緒にきて、「ここに来るといい時間が過ごせちゃう」みたいなのが強みで。


それプラス「あそこに行くと日常と違う、切り離された時間が過ごせるよね」みたいな。

切り離された時間?




お店の雰囲気みたいなもんですかね。「ここは他とはちょっと違うぞ」っていう。


つまり学生さんのセンスを磨いていくわけですか。


「おいしいものを食べ慣れると、まずいものが食べられなくなる」みたいな。そこを経験すると、大手チェーンのようなお店が「イケてないなあ」と感じるようになってくると。



強みが明確でないまま商品開発をしても意味がないです。

喫茶店の商品は「コーヒーやサンドイッチ」みたいなイメージですけど、「ゆったりした雰囲気」とか「友だちとの会話が弾む時間」みたいなものも商品になるじゃないですか。


つまり「そのお店に行く理由」みたいなものが商品ですよね。


それは「食べ物がおいしくない」とか?


「まずくはないけれど普通」みたいな。

「ウチはこういうコンセプトだ」とか言われても、それでは価値を感じてもらえない。お金を払う対象としての商品もしっかりしていないとダメです。

いくらお店の雰囲気がよくても、「食べ物がすごく雑だったら台なし」ってことですね。

ぜんぜんダメだと思います。



やっぱり飲食店って大変ですね。

お客様があなたのお店に求める価値


はいはい。

有名なすし屋ならそれでもやっていけそうですけど。もうそんな時代じゃないですか。




昔よく行ったお店が、 “上から店主”の店だったんですけど。そこそこ流行ってまして。息子さんが跡を継いで同じようにやった途端につぶれちゃいました。



それもあるし、時代の変化もあると思います。

なるほど。


偉そうってことですか?

いえいえ(笑)。人がウリってことです。僕らのお店って、来る日によってスタッフが変わるんですよ。

20店舗もやってるとそうなりますよね。


確かに個人店はそこが強みになりますね。

そうなんですよ。必ず同じ人が対応してくれるわけですから。

個人店でも接客とか、味とか、お店の雰囲気とか、ぜんぶ揃っていたほうがいいんですか。


ぜんぶやろうとすると中途半端になっちゃって、「平均65点」みたいな店になることはないですか。少ないリソースをどこかに偏らせたほうが尖る気もするんですけど。



マイナスはあっちゃいかんです。そのうえでどこを伸ばすか、という話だと思うんですよ。



たとえば有名職人だったら、頼んでから納品まで2年待ちとか、普通にあるんですけど。飲食はオーダーしてから2時間待ちとか、みんな帰っちゃいますもんね(笑)

はい。お客さんにとっては時間も大切な価値ですから。それがあっての味ですから。

やっぱり飲食はむずかしいなあって思います。

言われてみれば特殊かもしれませんね。

自分の強みが明確になれば、「お客さんはこういう人だ」というイメージはつくものですか。

つくと思います。

そこから立地とかを考えるわけですか。 たとえば学生さん向けのお店を銀座の真ん中につくったら、学生はいないわけで。


そんなミスはしないですか。

あえて、やる人はいると思います。銀座に庶民的なお店を出してみるとか。だけど間違える人はいないと思いますね。