スケッチ 第3回「ビジョンをスケッチする効果」

安田: 絵で説明?

戸谷: はい。「目指すべきゴールはここです。今、会社はここです。ここに対して私はハシゴをつくりますから、幹部4人の中のからリーダーを決めてください。」みたいに、話しながら絵を描きます。

安田: なるほど。普通は議事録のような文字が残りますけど、戸谷さんの場合は絵が残ると。

戸谷: 文字って記憶に残りにくいんですけど、ビジュアルは右脳に残るんですよ。

安田: なるほど。

戸谷: ゴールとプロセスが見える化しますので、理解も深まりますし、共感が得られやすくなります。

安田: だから成約率もアップする?

戸谷: 描いた絵を「これください」って、まあ100%言われますから。

安田: なるほど。その時点で、提案を受け入れたようなものですね。

戸谷: アポイントを取るツールにも使いやすいです。

安田: アポイントですか?

戸谷: はい。「こういう絵を描いてます」って見せると「ウチのも描いて欲しい」と言われるので「じゃあ今度ヒアリングさせてください」みたいな。

安田: おお!アポイント取れますね。

戸谷: で、ヒアリングの後に「次回は絵を持って来ます」って言うと、売り込みでもないし、次のアポイントも取りやすい。

安田: たしかに、わくわく感はありますね。「次回、見積書もってきます」って言われるより「イメージ図を描いてきます」って言われたほうが。

戸谷: 図ではないんですけどね。

安田: 聞けば聞くほど、絵というよりは図に近いような。でも、図とは違うような。

戸谷: 私がスケッチって言うのは、図よりも上ですね。

安田: 図よりも上……

戸谷: だけど、デッサンとか絵よりは下っていう。

安田: デッサンは「いかに正確に描写するか」が大事ですけど、そうじゃないってことですよね。

戸谷: そうですね。

安田: コミュニケーションの道具としての完成度が大事?

戸谷: 伝わるか伝わらないかってことですよね。図っていうのは、私の中で言うと○×□△っていう線しかないんですよ。

安田: スケッチには人も出てくる?

戸谷: 人も出てくるし、物も出てきます。だからシーンが描ける。

安田: グラフぐらいだったら誰でも描けるじゃないですか。あれぐらいの感覚で描けるようになるんですか?

戸谷: なりますね。グラフって線ですよね。線と丸を組み合わせたらいろんな形になるんですけど、みなさんその描き方を知らない。ただそれだけ。

安田: 営業的に考えるなら、まずは何が描けると効果的ですか?

戸谷: ゴールとしてのビジョンと、そこに至るプロセスですね。

安田: たとえば「自分の部屋をこういう風にしたい」とか「ウチの会社をこういう風にしたい」っていうビジョン。

戸谷: ういうイメージって、まだ明確じゃないんですよ。それをわかりやすく絵にしてあげる。

安田: そして、そこに至るプロセスも絵にしてあげる。

戸谷: そうです。それをビジョンマップと呼んでます。

安田: ビジョンマップですか。なるほど。

戸谷: 他社で描いたビジョンマップを見せると、まず100%「うちも描いてください」って言われますね。

安田: 「自分のビジョンを絵にしたらどうなるんだろう」って、興味湧きますもんね。

戸谷: まずはヒアリングのアポを取る。そしてビジョンマップを描いて持って行く。成約率は飛躍的に上がります。

 

>>>次回第4回は、「言葉と絵と文字と」

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