安田: 絵で説明?
戸谷: はい。「目指すべきゴールはここです。今、会社はここです。ここに対して私はハシゴをつくりますから、幹部4人の中のからリーダーを決めてください。」みたいに、話しながら絵を描きます。
安田: なるほど。普通は議事録のような文字が残りますけど、戸谷さんの場合は絵が残ると。
戸谷: 文字って記憶に残りにくいんですけど、ビジュアルは右脳に残るんですよ。
安田: なるほど。
戸谷: ゴールとプロセスが見える化しますので、理解も深まりますし、共感が得られやすくなります。
安田: だから成約率もアップする?
戸谷: 描いた絵を「これください」って、まあ100%言われますから。
安田: なるほど。その時点で、提案を受け入れたようなものですね。
戸谷: アポイントを取るツールにも使いやすいです。
安田: アポイントですか?
戸谷: はい。「こういう絵を描いてます」って見せると「ウチのも描いて欲しい」と言われるので「じゃあ今度ヒアリングさせてください」みたいな。
安田: おお!アポイント取れますね。
戸谷: で、ヒアリングの後に「次回は絵を持って来ます」って言うと、売り込みでもないし、次のアポイントも取りやすい。
安田: たしかに、わくわく感はありますね。「次回、見積書もってきます」って言われるより「イメージ図を描いてきます」って言われたほうが。
戸谷: 図ではないんですけどね。
安田: 聞けば聞くほど、絵というよりは図に近いような。でも、図とは違うような。
戸谷: 私がスケッチって言うのは、図よりも上ですね。
安田: 図よりも上……
戸谷: だけど、デッサンとか絵よりは下っていう。
安田: デッサンは「いかに正確に描写するか」が大事ですけど、そうじゃないってことですよね。
戸谷: そうですね。
安田: コミュニケーションの道具としての完成度が大事?
戸谷: 伝わるか伝わらないかってことですよね。図っていうのは、私の中で言うと○×□△っていう線しかないんですよ。
安田: スケッチには人も出てくる?
戸谷: 人も出てくるし、物も出てきます。だからシーンが描ける。
安田: グラフぐらいだったら誰でも描けるじゃないですか。あれぐらいの感覚で描けるようになるんですか?
戸谷: なりますね。グラフって線ですよね。線と丸を組み合わせたらいろんな形になるんですけど、みなさんその描き方を知らない。ただそれだけ。
安田: 営業的に考えるなら、まずは何が描けると効果的ですか?
戸谷: ゴールとしてのビジョンと、そこに至るプロセスですね。
安田: たとえば「自分の部屋をこういう風にしたい」とか「ウチの会社をこういう風にしたい」っていうビジョン。
戸谷: そういうイメージって、まだ明確じゃないんですよ。それをわかりやすく絵にしてあげる。
安田: そして、そこに至るプロセスも絵にしてあげる。
戸谷: そうです。それをビジョンマップと呼んでます。
安田: ビジョンマップですか。なるほど。
戸谷: 他社で描いたビジョンマップを見せると、まず100%「うちも描いてください」って言われますね。
安田: 「自分のビジョンを絵にしたらどうなるんだろう」って、興味湧きますもんね。
戸谷: まずはヒアリングのアポを取る。そしてビジョンマップを描いて持って行く。成約率は飛躍的に上がります。
>>>次回第4回は、「言葉と絵と文字と」