地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。
第70回 オーストラリアに町のケーキ屋がない理由

前回はゴールドコーストマラソンに出場したお話をお聞きしましたが、今日はスギタさんから見た「オーストラリアの飲食店」についてお聞きしたくて。現地の名物って何かありましたか?

ええ。いろいろなコストが上がって値上げをせざるを得ない状況になってきたのと、深刻な人材不足が同時に来てる感じですよね。給与も相当上げないといい人材が採用できなくなってきて。まあ「ようやく動き出したな」という印象です。

うちの業界もまさにそうですね。原材料も人件費も上がっていて、商品価格を上げざるを得ない。今後、最低賃金を1500円にするなんて話も出てますし、「物価も給料もガンガン上げて海外に並ぼう」というのが国のビジョンなんですかね。
対談している二人
スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役
1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。