この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第147回 死生観の変化でご葬儀のあり方も変わる?
第147回 死生観の変化でご葬儀のあり方も変わる?

最近、日本人の「死生観」もだいぶ変わってきたように思いまして。例えばお葬式1つとっても、身内だけでこじんまりとお葬式をする人が増えてきたじゃないですか。

ですよね。最近じゃお坊さんも呼ばないお式だってあるそうですし。ちなみに『のうひ葬祭』さんでも無宗教の式は増えているんですか?

田舎では「先祖代々このお寺さんの檀家だから」という感覚はまだ根強いですけどね。ただお寺や宗教者って、基本的には葬儀とか法事の時くらいしか関わりがないじゃないですか。そうすると、滅多に会わないのに高い金だけ持っていく…と不満も出やすいのかなと(笑)。

そうですね。50代60代にもなると、人生の引き際をどうするかって考えちゃいます。だからこそ、自分の最期の場でもある葬儀も、もっと自由にデザインできるようになってもいい気がするんですよ。それこそ結婚式のように。

仰ることもわかります。でも僕はご葬儀に関しては、これからもそう大きく変わらないんじゃないかと思っていて。というのも人間って「死に対する恐怖感」があって、そこをカバーできるのが宗教だと思うんです。

ええ。例えば「ちゃんと供養しなかったら悪いことが起きた」なんて思いたくないじゃないですか。そういう人間の弱さ=恐怖って、宗教というある種の「確信」でずいぶん和らぐのかなと。だからこそ、宗教っていうのは何千年と残ってきているし、これからも残り続けるんだろうと思っています。

なるほどなるほど。でもそれってお墓も同じだと思うんですけど、最近は「合同墓地」とか「樹木葬」とかも増えているじゃないですか。

じゃあやっぱりお葬式も、遺族が納得するならお坊さんも呼ばずに身内とか仲間内だけで集まってやる「お別れの会」みたいな形式でも良さそうに思いますけど。今後、そういう新しいビジネスが生まれてくる可能性はありそうですか?

うーん、どうかなぁ…。先ほども言ったように、そんなすぐには変わらない気がします。この対談でも度々言ってますが、ご葬儀って「遺された人のための儀式」。しかも普通はすごくやりたくてやるものではないじゃないですか。だからあまり「積極的に変えていこう!」と思う人は少ないんじゃないかなと。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















