日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。
第1話のお話。タトイの村に一人の子が生まれた。アナンという。アナンには生まれながらに持った特殊能力「人の心を読む」があったことで、多くの人の悩みを解決し、一躍村の人気者になった。しかしその裏ではアナンに嫉妬する村人が足を引っ張るようになっていた。そしてアナンが12歳の時、ある村人の告発がきっかけとなって、国から危険人物の烙印を押され、幽閉されてしまった。
アナンは隔離施設「ノザン」でいつ終わるともわからない日々を過ごすことになった。常に監視の目があり、特殊能力を使えば厳しい処罰がまっていた。そこにはアナン以外にも、同世代らしき10人の子供たちが幽閉されていた。アナンと同じように危険人物とみなされ、家族の元から強制的に送り込まれてきたのだった。中には家族の要請で入所した子供もいた。
アナンはこっそりと他の子供達の心を読んだ。「寂しい」この感情がどっとアナンの心に入ってきた。その感情には自分を見捨てた親や家族が「憎い」という濁った感情も絡みつくように混ざっていた。10人の子供達とアナンは同じ心情だとわかり、仲間になれると確信した。アナンは、彼らと協力してこのノザンから脱出し、自分を見捨てた両親と故郷を見返してやろうと固く決心した。
アナンは早速、一人一人の「寂しい」「憎い」という感情に寄り添うようにコミュニケーションを始めた。『寂しいよなぁ、その気持ちわかるよ』、『俺が一緒にいるよ』、『見捨てた奴らは許せんよな』というメッセージを監視の目を盗みながら、その相手だけにわかるように、態度と行動で示すようにした。
しばらくすると、子供たちはアナンだけに心の蓋を開けて、こっそりと感情を伝えるようになった。アナンは彼らの生い立ちと今の心の内を知って、今度は子供達同士が仲良くなるように、互いの間を橋渡しし始めた。「あの子はこういった能力があってね。だけど親に見捨てられてさ」といったように互いの能力に興味を持たせ、共通点を伝えることで、親近感を高めた。アナンを含めた11人がアナンを中心に次第に輪になってきた。
(第3話へと続く)
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日本社会は異質を嫌います。
異質な存在に対して、排除するエネルギーが高まりやすい。仲間の中で生きるしかないと思う人は、異質性を押し殺して生きます。
本質を殺して生き続けていると、そのうち本質が歪んできて「シャドウ(陰湿化した自己)」と化していきます。
日本が異質を嫌う社会になった背景とそこをどう場活するのか、続きはfacebookグループの「場活王」にて。
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泉 一也
(株)場活堂 代表取締役。
1973年、兵庫県神戸市生まれ。
京都大学工学部土木工学科卒業。
「現場と実践」 にこだわりを持ち、300社以上の企業コーチングの経験から生み出された、人、組織が潜在的に持つやる気と能力を引き出す実践理論に東洋哲学(儒教、禅)、心理学、コーチング、教育学などを加えて『場活』として提唱。特にクライアントの現場に、『ガチンコ精神』で深く入り込み、人と組織の潜在的な力を引き出しながら組織全体の風土を変化させ、業績向上に導くことにこだわる。
趣味は、国内外の変人を発掘し、図鑑にすること。