第57回 これからは「移民」も「解雇」も受け入れる

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第57回 これからは「移民」も「解雇」も受け入れる

安田
人不足が叫ばれるようになって久しいですが、振り返ってみると、まずは女性の戦力化が言われてきて、次は高齢者。65歳、70歳とどんどん上限を上げてきています。

渡邉
でもそれにも限りがありますからね。で、限界が来たら次はもう移民を受け入れるしかないと。竹中平蔵さんも「移民を受け入れるべきだ」と叫んでましたね。竹中さんに関してはけっこう批判的な見方もありますけど。
安田

確かに「派遣の人口を増やした」と一部では不人気ですが、主張には筋が通っていると思うんですよ。少なくとも私の周りでは、自ら望んで派遣で働いてる人ばかりだったので、派遣自体が問題だとは思いませんし。


渡邉

確かに一つ一つの考え方は合理的ですよね。僕も各論を詰めていく必要はあると思いますが、「移民の受け入れ」とか「解雇規制の緩和」の方向性には賛成です。

安田
私もです。そもそもね、ここ数十年で日本に来た人を「移民」と言ってますけど、そのずっと前から国外からの流入や混血は当たり前に起こっているわけですよ。そう考えれば、ある意味日本人全員が「移民」だとも言える。今さら何に怯えているんだろう、と不思議な気もして。

渡邉
「犯罪が増える」とか「治安が悪化する」とか言われたりしてますけど、別に明確な根拠があるものではないんでしょうね。イメージや先入観からの意見なんだと思います。そもそも日本でテロを起こしたところで、あんまり意味がないとも思いますし。
安田
そうですね。日本は表面上独立したように見せてはいますけど、実態としてはアメリカの傀儡(かいらい)政権のようなものですから。

渡邉
対外的にも「日本でテロを起こしたところで世の中が変わるわけじゃない」と思われている気がします。むしろ弱い者いじめみたいでひんしゅくを買うという(笑)。
安田
確かにそう見られるかもしれませんね(笑)。ともあれ、今後の移民の受け入れを本気で考えるなら、「日本が好きだから住みたい」という人を受け入れるようにした方がいいと思いますね。

渡邉
確かに、「日本は嫌いだけど稼げるから行く」という人は避けたいですよね。お互いにハッピーにはならない気がします。ただ安田さんの言うような人だけを選別するって、実際はなかなか難しい気がします。どういう方法がありますかね?
安田
日本の歴史や文化についてのテストを受けてもらうとか。「日本もの知り検定」みたいな感じで、合格点が取れたら日本国籍が取得できるようにして。

渡邉
おもしろいですね(笑)。でも個人的には、個人単位でなく国単位で考えるのもアリなんじゃないかなと。価値観の合う国からであればテストなしでも移住OK、というような。
安田
価値観の合う国というと、例えばどこですか?
渡邉

ミャンマーやベトナムなどの仏教国とか。親や家族に対する考え方で言えば、儒教の国は日本に近い気がしますね。

安田
なるほどね。とはいえ、むしろ日本の宗教観や倫理観の方が薄れてきてませんかね。最近はお葬式にお坊さんを呼ばないなんてこともあるみたいですし。

渡邉
まぁ確かに。昭和の頃まではそういう感覚がまだ強かったですけどね。「親は大事にするもんだ」とか「一番風呂は常に父親」とか。
安田

そういう教育でしたから。よく言われる「昔の日本はこうだった」っていうのは、明治維新以降の国策による教育のことですよ。そういう流れの中に終身雇用や労働組合もあったわけですけど、いずれも崩壊しつつある。


渡邉
確かに。そうやって労働環境もどんどん変わっていっているのに、解雇への規制だけは未だに根強く残っている。それが大きな弊害になっているのに。
安田

そうなんですよね。解雇できないということは、「どんなに仕事ができない社員でも定年まで雇い続けなければいけない」ってことですよ。それが60歳から65歳、さらに70歳まで伸びるとなったら、破綻するのも当然なわけで。


渡邉
本当にそうですよ。簡単に解雇できないから、採用も躊躇するんですよね。せめて「お試し雇用」みたいなものがあればいいんですけど。
安田

確かに、とりあえずお試しで採用するのはありでしょうね。

渡邉
最近は一定期間業務委託で依頼して、お互いよかったら正社員になるというパターンも増えているみたいですよ。
安田

へぇ。紹介予定派遣のような感じですか?

渡邉
そうですそうです。派遣では元々ありましたけど、そちらも増えてるみたいです。
安田

なるほど。そうやってお試しができれば、企業も人材も選択肢が増えますね。


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

Facebook

1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

Twitter  Facebook

1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

感想・著者への質問はこちらから